住宅ローンが払えない場合の対処法と金融機関への相談手順

住宅ローンが払えない場合、はじめにするべきことは「銀行への相談」ですが、「家を取り上げられるかもしれない」と不安をお持ちではないでしょうか。

通常、住宅ローンが払えない旨を銀行に伝えた時点で、すぐに家が競売にかけられるといった事態になることはないため、落ち着いてご自身の状況に応じて対処することが大切です。

今回は、東北No.1の店舗数で多くの不動産に関するご相談を承ってきた不動産会社『イエステーション』が、住宅ローンが払えないとわかった時点でどう行動するべきかを、具体的にご紹介します。

住宅ローンが払えないと銀行に相談する方法|定年後、今月だけなど状況別の台本

住宅ローンの返済についてスマホを見ながら相談する夫婦

冒頭でお伝えしたとおり、住宅ローンが払えない状況になった場合、はじめにするべきことは「銀行への相談」です。

はじめに、「銀行へ相談をする前の準備」「銀行への連絡時に話すべき内容」などを、具体的にご紹介します。

督促が届く前に銀行へ相談がベスト|連絡前の準備

銀行へ連絡をするベストタイミングは、「住宅ローン引き落とし日の前」です。

滞納が発生する前の連絡によって、「住宅ローンの貸付条件変更」などの交渉がしやすくなります。

実際に、金融庁が公表しているデータ(銀行分・令和7年4月〜令和8年7月末)では、住宅ローンの貸付条件変更の申込みは10,069件で、審査を終えたもの(実行8,262件・謝絶574件)のうち93.5%が実行されています。

また、住宅ローンを滞納した後でも、早く連絡するほど今後の選択肢が多く残ります。

住宅ローンが払えないとわかった時点で、以下の準備をして早急に「銀行の住宅ローン窓口」へご連絡ください。

  • 返済予定表を手元に準備
  • 通帳など口座情報がわかるものを手元に準備
  • 払えない理由を簡潔にまとめておく(減収・支出増の事情)
  • 相談内容を簡潔にまとめておく(「今月だけ返済日を延長してほしい」「今後の返済額を相談したい」など)
  • 現在の収支状況を伝えられるようにしておく(月々の手取り、生活費、ほかの借入、貯蓄額)

銀行への連絡でなんと伝えればいいのか|定年後、今月だけなど状況別の台本

銀行の住宅ローン窓口に電話がつながったら、「住宅ローンの返済についてご相談したい」と伝えましょう。

窓口担当者や住宅ローン担当者に具体的な内容を尋ねられたら、以下のようにご回答ください。

「定年後」「今月だけ」など、いくつかの状況を想定して、銀行に伝える内容をまとめました。

状況そのまま使える台本
定年後・年金生活でこれまでと同じ返済が難しくなった「定年退職し、収入が年金中心になりました。年金でも続けられる返済額に変更できないか、ご相談の場を設けていただけますか」
今月だけ払えない「◯日の引き落としに返済額を準備できません。来月からは通常どおり支払えます。今月分の支払い方法をご相談させてください」
収入が減って、当面これまでと同じ返済が難しい「転職で収入が減り、毎月の返済が難しくなりました。月々の返済額を見直したいので、ご相談の場を設けていただけますか」
ボーナス払いが払えない「ボーナスが減り、ボーナス月の返済が難しい状況です。ボーナス返済の見直しについて、ご相談の場を設けていただけますか」
すでに滞納してしまった「引き落としができておらず申し訳ありません。◯日には入金できます。今後の返済についてもご相談の場を設けていただけますか」

通常、電話で結論が出ることはなく、「面談日(または書類送付)のご案内」という流れになります。

銀行にとっても、競売といった事態になるよりも返済を継続してもらう方が望ましいため、一般的には電話で叱責を受けるといった心配はありません。

銀行との面談準備、面談内容

銀行へ連絡をすると、面談日・準備物の指示があります。

以下のような資料を持参するのが一般的です。

  • 返済予定表(借入残高・残りの返済期間が分かるもの)
  • 収入を証明する書類(直近数カ月の給与明細書、年金振込通知書、源泉徴収票、確定申告書など)
  • 返済用口座の通帳
  • 銀行から受け取った通知や督促状
  • 今後の返済について、ご自身の希望(「月々◯万円までなら返済できる」など)

上記のほかに、収支をまとめたメモ(生活費、住宅ローン以外の借入金、貯蓄額など)を作成して持参すると、面談がスムーズに進みます。

面談では以下のような内容の聴き取りがあり、銀行側から可能な変更メニューの提示など、今後の方向性のすり合わせまで進みます。

  • 住宅ローンを払えない事情
  • 現在の家計状況の整理
  • 今後の住宅ローン返済の見込み
  • 今後の返済に関する希望

面談後、銀行の社内稟議によって今後の対処が決定します。

銀行が譲歩できるのは通常「返済期間の延長」「一時的な減額」までで、原則「元本の減額」「利息の免除」には応じないことを、念頭に置いておきましょう。

住宅ローンをこの先も払えない場合に家はどうなるのか

住宅ローンの返済継続や売却を検討するための収支計算イメージ

次に、今月だけではなく、この先も住宅ローンを払えない場合に、家がどうなるのかについてもご紹介します。

はじめに団信などの保障対象にならないか確認

住宅ローンを払えない原因が「病気」「ケガ」の場合、団信(団体信用生命保険)などの保障対象にならないかをご確認ください。

「住宅ローンを払えない」という焦りで、保障の存在が頭から抜けてしまうケースは少なくありません。

【団信】

住宅ローン契約時に加入した団体信用生命保険(団信)は、「死亡」「所定の高度障害」などの状態になった場合に、住宅ローン残債が保険金で完済される仕組みです。

「がん団信」「三大疾病」「就業不能保障」などの特約を付けているケースでは、所定の状態に該当すると住宅ローン残債がゼロになったり、一定期間の返済額が保障されたりすることもあります。

【がん保険・収入保障保険などの保険】

がん保険や収入保障保険など、ご自身が加入している保険の保障対象となる状態ではないかも、見直すことをおすすめします。

「新卒1年目で親にすすめられて加入した」「友人との付き合いで最低額で加入した」といった保険を忘れているケースもあります。

また、意外と「複数の保険の保障が重複している」といったケースもあるため、保険の見直しは家計の見直しにもつながります。

住宅ローンの一部は払える見込みがある場合

「収入がゼロではないので、一部は払える」という場合には、以下の選択肢を銀行にご相談ください。

  • 返済期間の延長(毎月の返済額を圧縮する)
  • 一定期間の元金据置(元本の返済を待ってもらい、利息のみ支払う)
  • ボーナス返済の見直し(減額・取りやめ)

例としてフラット35(住宅金融支援機構)は住宅ローンが払えない場合の対応を3種類用意していて、貸付条件の変更手数料は無料です(収入などの適用基準あり)。

  • 返済特例(返済期間を最長15年延長、元金据置は最長3年)
  • 中ゆとり(一定期間、毎月の返済額を減額)
  • ボーナス返済の見直し

民間の銀行もおおむね同様の対応を用意していますが、貸付条件変更の手数料については、銀行によって対応が異なります。

なお、住宅ローン滞納前の場合は信用情報に滞納情報が掲載されていないため、「低金利の住宅ローンへ借り換えて返済額を減らす」という選択ができる可能性もあります。

住宅ローンを払える見込みがまったくない場合

住宅ローンを払える見込みがまったくない場合、ご自宅を手放すことを視野に入れて動き始める必要があります。

はじめにするべきことは「ご自宅の査定」で、売却額で残債を全額払えるかどうかで、その後の選択肢が変化します。

できれば銀行との面談日までに、不動産会社へ査定を依頼し、結果を受け取っておきましょう。

選択肢概要と向いている状況家の扱い
売却(通常売却)・「売却額+自己資金」で住宅ローン残債を完済できる場合の選択肢
・最も高く売却できる可能性があるため、家を手放した後の生活再建を考えやすい
手放す
任意売却・「売却額+自己資金」で住宅ローン残債を完済できない場合に、銀行の合意を得て市場価格に近い水準で売却する方法
・競売より高値となるのが一般的で、引っ越し時期の調整余地が多少ある
手放す
リースバック・家を専門会社へ売却し、売却代金で住宅ローンを完済。以後は賃貸として住み続ける方法
・売却額が住宅ローン残債を上回る場合に選択できる方法
手放すが、賃貸で住み続けられる
個人再生・カードローン等の「他の借金」を大幅(原則1/5程度)に圧縮することで、住宅ローンの返済を続けられる見込みがある人向けの裁判所手続き
・住宅ローン自体は減額されないが、自宅を残せる可能性がある
・安定した継続収入があることが必須条件(弁護士相談が必要)
残せる
自己破産・住宅ローンを含むすべての借入金の返済義務を免れる最終手段
・家は強制的に処分され、信用情報にも長期間記録されるため、クレジットカード作成・カーローン利用などにも影響する
手放す

住宅ローン残債がある状態での家の売却については、こちらの記事でお金の流れなどをご確認いただけます。

宮城県・福島県・茨城県でご自宅の査定をご希望の方は、イエステーションへご相談ください。

AI無料査定もご活用いただけます。

住宅ローン滞納後の流れ、最終的にどうなるのか

住宅ローンの滞納放置による競売までの流れをイメージした写真

次に、すでに住宅ローンが滞納の状態になっている場合の、今後の流れもご紹介します。

意図せず住宅ローンを滞納してしまった後の流れ|住宅ローン滞納後すぐに家を取り上げられることはない

残高不足などでうっかり1回住宅ローンを滞納してしまった場合、以下のような流れとなります。

引き落とし不能から数日〜2週間ほどで、銀行から「再引き落とし日」「振込先」を記載した案内が届く。(郵送が中心ですが、確認の電話をする銀行もあります)

↓

銀行からの案内に沿って速やかに入金することで、翌月からは通常の住宅ローン返済に戻ります。

ただし、以下の点にご注意ください。

  • 遅延損害金が日割りで発生する(多くの銀行で年14%前後と約款に定められています)
  • 滞納が「61日以上または3ヶ月以上」に及ぶと、信用情報機関に異動情報※が登録され、完済後も5年間残る

※「異動情報」とは重大な返済トラブル(金融事故)の記録で、一般的に言われる「ブラックリストに載る」状態を指します。

1回の滞納では信用情報機関に異動情報が登録されないのが一般的ですが、「入金遅れ」の記録は残ります。

住宅ローンの督促を無視し続けた場合の流れ

住宅ローンの督促を無視し続けると、「競売」までのルートに乗ることになります。

「競売までの流れ」と「期間に応じて対処できること」を、あわせてご紹介します。

滞納期間の目安銀行・保証会社側の動き今できること
0〜1ヶ月電話・郵送での入金案内・入金
・この段階では、貸付条件変更の相談ができる可能性もある
1〜3ヶ月・督促状・催告書が届く
・61日以上の延滞で信用情報に異動登録
貸付条件変更の相談と並行して、査定・売却の検討を始める
3〜6ヶ月・「期限の利益」(分割で返済できる権利)を喪失
・保証会社が残債を代位弁済し、以後は保証会社等から一括返済を請求される
一括返済は現実的に難しいため、任意売却の検討と専門家への相談を急ぐ
6ヶ月〜・債権者が裁判所へ競売を申立て
・現況調査(裁判所の執行官による自宅訪問)
・期間入札の公告を経て落札、落札者へ所有権が移転し強制退去へ
・競売の取下げは開札前日まで可能ですが、買主探しと決済期間を逆算すると、実質的なリミットは開札の1〜2ヶ月前です
・一刻の猶予もないため、即座に任意売却の専門窓口へご連絡ください

滞納開始から立ち退きまでは、おおむね10ヶ月〜1年程度が目安です。

競売の手続きに入ると、市場価格より2〜3割安く落札されやすいだけでなく、プライバシーが公表され、引っ越し時期の交渉余地もなくなります。

督促を放置せず、競売の申立てが行われる前(滞納6ヶ月以内)に査定と売却手続きへ動くことが、極めて重要です。

宮城県・福島県・茨城県で住宅ローンの支払にお困りの方は、イエステーションへご相談ください。

住宅ローン滞納の中でご自宅の売却をご相談頂いた事例もございます。

高値での売却プラン提案、近隣に知られない売却方法など、ご要望をお知らせください。

住宅ローンを払えない場合のQ&A

住宅ローンが払えない場合のよくある質問とチェックポイント

最後に、住宅ローンを払えないことにお困りの方から、よくいただく質問・回答をご紹介します。

Q.金利が0.5%上がると住宅ローン返済額はいくら増える?

A.金利が0.5%上昇する場合の、住宅ローン返済額のシミュレーションをご紹介します。

(例)借入額3,000万円・5,000万円、返済期間35年、ボーナス払いなしで新規借入の場合の、毎月の返済額。

金利が0.5%上がると、毎月の返済額は「借入額3,000万円で約7,000円」「借入額5,000万円で約1.2万円」増加します。

金利借入額3,000万円借入額5,000万円
0.7%80,556円134,260円
1.2%87,511円145,851円
1.7%94,823円158,038円
2.2%102,486円170,809円
3.0%115,455円192,425円
4.0%132,832円221,387円

日本銀行は2024年3月のマイナス金利解除後、段階的に利上げを続け、2026年9月には政策金利を1.25%程度まで引き上げました。

ただし、返済中の変動金利には「5年ルール」「125%ルール」(適用のない銀行・商品もあります)があり、金利変動の影響が住宅ローン返済額にすぐに反映されないケースもあります。

ご自身の住宅ローン返済額の変動は、残高・残期間に応じて試算をしましょう。

Q.住宅ローンを払えない人が急増しているって本当?

A.住宅ローンを払えない人が急増しているという公的データは、確認できませんでした。

ただし、金利上昇局面で返済負担への不安が広がっているのは事実です。

また、「借入期間35年超」「金利2.0%以上」の住宅ローンは払えない状況となる割合が高いといったデータを、こちらの記事でご確認いただけます。

Q.住宅ローンを払えない人の特徴を知りたい

A.住宅ローンを払えない状況になることが多いのは、「想定外の収入減(病気・離職・離婚・介護など)」と「余裕のない借入設計」が重なったケースです。

また、以下のような返済計画も、住宅ローンの負担が重くなる割合が高い傾向があります。

  • 返済額が手取りの25%超
  • 頭金ほぼなしでの借入
  • ボーナス返済の負担が大きい
  • 定年後も長く返済が残る

住宅ローンがきついと感じ始めた時点でご確認いただきたい対処法を、こちらの記事でご紹介しています。

Q.カードローンを利用して住宅ローンを支払うとどうなる

A.カードローンは年14〜18%程度の高い金利で返済していく必要があるため、カードローンで住宅ローンを返済する循環に入ると、常に手元資金が不足する「自転車操業」の状態が長く続く可能性があります。

住宅ローンの貸付条件を変更できる場合、金利は住宅ローンと同水準ですので、返済負担を大きく抑えられます。

カードローン利用前に、銀行へ相談することをおすすめします。

Q.銀行に無断で引っ越し(夜逃げ)したらどうなる

A.銀行に無断で引っ越し(夜逃げ)をすると、「期限の利益」を失い、本人不在でも競売の手続きが進みます。

住宅ローン残債と遅延損害金は消えず、給与や預金の差押えに発展することもあります。

銀行に無断で引っ越しをする・銀行との連絡を絶つことはせず、「銀行への相談」から行動し始めましょう。

まとめ

住宅ローンが払えない場合の、銀行への連絡方法、今後家がどうなるかなどを解説してきました。

住宅ローンのような高額の借入金を払えない状況になることは、ご自身にとって家を失うリスクであることはもちろん、金融機関にとっても高額の貸付金を回収できない大きなリスクです。

そのため、「住宅ローンが払えないかもしれない」と考え始めた時点で、今回ご紹介したような複数の選択肢を見据えて家計の見直し・ご自宅の査定などを実施し、状況に応じて早急に銀行へ相談することをおすすめします。

また、売却額と手元資金で住宅ローン残債を完済できる可能性がある場合は、不動産会社のサポートを受けながら高額売却の道を探ることも可能です。

宮城県・福島県・茨城県で住宅ローンを払い続けることに不安をお持ちの方は、イエステーションへお問い合わせください。

家の売却を迷っている段階から、ご相談いただけます。