アドレスの関根です。
今回は、お客様より実際に頂いた質問をケーススタディとしてご紹介していきたいと思います。
Q「故人の名義のままでも不動産は売却できますか?」
今年の冬に父が亡くなり、父が住んでいた実家が空家となっています。
私には兄弟が3人いるのですが、話し合った結果、売却してお金を3等分しようとの結論に達しました。
今現在、土地と建物は父の名義になっていますが、死んだ父の名義のままでも売却は可能でしょうか?
不可能ということになれば、どのような手続きが必要になってきますか?
A
亡くなられた方名義の不動産を売却するには、相続人の方に名義を変更しなければなりません。
相続人の方に名義を変更することを「相続登記」といいます。
相続登記をする場合、相続人全員(今回の場合はご兄弟みなさん)が署名捺印した遺産分割協議書が必要となります。
この遺産分割協議書の作成は司法書士さんに依頼することが一般的です。
①司法書士事務所へいく
②遺産分割協議書を作成する
③遺産分割協議書に全員記名捺印をする
④不動産の名義を変更する
⑤不動産会社に売却を依頼する
⑥売れたら仲介手数料などの費用を引いたお金を三等分する
という流れになるかと思います。
遺産分割協議書を作成し、相続登記が済んで名義がご兄弟の名前に変われば売却が可能になります。
お知り合いの司法書士さんがいらっしゃらない場合には当社でもご紹介できますのでお気軽にご相談くださいませ!
アドレスの三浦です。
今回は、郡山市で失敗しない土地探し5つの心得その5、「土地の安全性はどうか」についてご説明します。
住宅の耐震性、耐久性をいくら追求しても、住宅が建つ土地が軟弱地盤だと全く意味がなくなります。
・チェックすべきポイント
水域を埋め立てた地域か
→各市町村の図書館で古地図や航空写真で確認する。法務局で土地登記簿謄本をとる。
周辺道路
→道路より低い土地は水が溜まりやすく、地盤が弱い事も多い。
盛土による造成地か
→傾斜地や窪地に土を盛っている土地であれば転圧状況により地盤が軟弱な場合がある
雨天時の雨のしみ込み度
→軟弱地盤による不動沈下の可能性がある
近隣住宅の基礎などのひび
→ひびの幅が0.5mm以上なら注意が必要
アドレスの三浦です。
今回は、郡山市で失敗しない土地探し5つの心得その4、「家が建てられる土地かどうか」についてご説明します。
・土地と道路との関係
都市計画法では、「都市計画区域」と「都市計画区域外」とがあります。
都市計画区域の中には「市街化区域」と「市街化調整区域」があります。一般的に住宅を建てる事が出来る地域は市街化区域です。
しかし、市街化区域であっても家が建てられない土地があります。それは「工業専用地域」です。
主に工場を建てるための地域なので、一般の住宅などは建築できません。一つの知識として知っておいてください。
・接する道路の種類
道路には「公道」と「私道」があります。公道は国道、県道、市町村道といった行政が所有する道路を指します。
私道は一般の人が所有する敷地を通行用に利用している道路となります。
道路によって注意すべき点はありますが、私道は個人の所有ということもあり、詳細な調査をしなければなりません。
購入する前に確認することをお勧めいたします。
アドレスの三浦です。
今回は、郡山市で失敗しない土地探し5つの心得その3、「土地代以外の隠れた費用」についてご説明します。
土地を購入する際、土地代にのみ目が行きがちですが、土地購入では表示されている金額以外に多額の費用が発生するケースが往々にあります。
隠れた土地の特性により想定外の費用が発生してしまい資金計画が狂ってしまうことも、、、とくに次のような土地には注意が必要です。
・宅地でない
例えば地目が農地であれば、農地転用申請が必要となります。また、農作物の撤去費用、畑土などの処分費、埋め立てが必要なら盛土費用が発生します。
あわせて、地目変更登記の費用も必要になります。
・隣地や道路との高低差がある
隣地、道路との高低差があると1mを超える高低差の場合、擁壁(土留め)工事の費用が割高になる可能性があります。
事前に擁壁工事の工事費用の算出をするなど対策が必要になります。
・インフラ整備されていない
インフラとは道路や上下水道、電気、通信等の各設備のことをいいます。前面道路にこれらの設備が来ていないと新たに設備を引いてくる工事費が発生します。
例えば下水道が無い場合、浄化槽を設置すればいいと思いがちですが、長い目で見ると、定期清掃、点検などの維持費がかかってしまうといった注意点もあります。
・地盤が悪い
軟弱地盤ですと、地盤補強工事が発生します。地盤の強度によりますが、木造等重量の軽い建物なら費用は安く抑えられるかもしれません。
しかし、鉄骨造、鉄筋コンクリ-ト造といった重量のある構造ですと高額な費用になる可能性が高いです。
・各規制地域である
各県、各市町村により様々な規制があります。一般的に住宅を建てる場合、建築確認申請というものを行政に申請し許可を取り、工事に着手することが通例です。
この建築確認申請以外に各規制による申請業務が必要となる場合があります。申請費以外にも規制にかかわる付帯工事の発生、地域ごとの建築協定等、さらに費用が掛かることがあります。
アドレスの関根です。
今回は、郡山市で失敗しない土地探し5つの心得その2、「建ぺい率と容積率」についてご説明します。
売土地の情報をチラシやインターネットで閲覧すると色々な専門用語が出てくるかと思います。
今回はその中でも代表的な建ぺい率と容積率についてご説明いたします。
建ぺい率とは土地面積に対しての建築物が建てられる面積の割合を示します。
建ぺい率は郡山市であればどこでも同じ・・・というわけではなく、そこが主に商業用地として想定されている地区であるのか住宅地であるのかによって異なってきます。
例えば郡山駅前であれば建物同士がくっつきそうな間隔で建っておりますが、中央台や泉ヶ丘といった住宅地になるとお庭や駐車場があって隣のお家との間隔がゆったりしていると思います。
これは商業用地であれば建ぺい率は80%と高くなっていることが一般的で、住宅用地であればおおむね60%と規定されていることが多いためです。(地区ごとに異なりますのでご注意ください。)
また容積率とは土地面積に対しての建物の延床面積(建物の各階の床面積を合計した数値)の割合を示します。
2階建て以上の建物を建てる場合には非常に大切な数値です。これも郡山駅前であれば高い建物を建てることができる根拠になっています。
逆に住宅地を想定している地区では容積率が低くなり、高い建物の建築は制限されることになります。
お客様とお話をさせていただく中でご要望が多いものに「土地はやっぱり80坪は欲しいかな」というお声がございます。
土地を80坪とし、建ぺい率を60%、容積率を80%といたしますと、一階部分が48坪、二階も合わせると計算上64坪のお家を建築することが可能になります。
郡山市において一般的に家族4人がお住まいになるお家ですと一階二階あわせて30坪から35坪くらいが標準的かと思います。
(都心になると別ですが・・・)2階建て35坪のお家であれば土地は44坪あればまかなうことができます。
そう考えた場合余分な面積にもお金を支払ってしまうことになってしまうことも考えられます。(広い郡山市全体を一括りにはできませんのでご了承ください。)
大切なお金を有効に活用するためにもぜひ不動産用語を知っていただければと思います。
アドレスの関根です。
今回は、郡山市で失敗しない土地探し5つの心得その1、「資金計画」についてご説明します。
人生の中で一番高い買い物といわれる不動産。とくに土地を購入する前には資金計画をあらかじめ行うことがとても重要です。
「今のアパートの家賃より安く購入できますよ!」「頭金なしでも購入できます!」は古くからの営業マンのうたい文句です!(当社の営業マンも使いますが…)
不動産は世界に2つとして同じものがないように資金計画もお客様お一人おひとり異なってきます。
私達が常に念頭においていることは、「この土地をお客様が購入された場合、現在のお客様の課題が解決するかどうか?」です。
ですので、焦って土地をご購入されて逆にお客様の課題が増えてかつ複雑になってしまっては元も子もありません。
何よりお客様の課題で一番大きいのがお金に関することです。
「希望の土地さえ購入できればなんとかなるよ」とお考えの方もいらっしゃいますが、土地の購入には税金や登記費用など土地代金以外の出費があります。
また建物にも税金や登記費用さらに外構費用もかかります。またまた住宅ローンをご利用になる場合には金利もかかってまいります。
イエステーションではお客様お一人おひとりに沿った資金計画を無料で行わせていただいております。
「いくらくらいの土地であれば購入可能であるか」「無理のない毎月の返済はいくらなのか」「今購入するべきなのか、資金を貯めてからのほうがいいのか」
希望する土地やプランがまだ決まっていない場合でも、喜んで資金計画をご提案させていただきます!
アドレスの関根です。
今回は、一般媒介と専任媒介についてご説明します。
Q.S様
ここ2,3年のうちに自宅の売却を考えています。
少しくらい不動産のことを勉強しておこうと思い、不動産売買に関する書籍を購入しました。
売却のことについて書いてあるところを読むと
「一般媒介契約」と「専任媒介契約」について記載がありました。
普通に考えると、1社だけではなく複数の不動産会社に依頼することができる
「一般媒介契約」のほうが、どう考えても高く、早く売却できると感じます。
とするとやはり、複数の不動産会社に依頼する場合には
1社だけに依頼するよりも余計に費用がかかるのでしょうか?
A.
まずは費用についてですが、原則として「一般媒介契約」であっても
「専任媒介契約」であっても結果的に支払う金額は同額です。
仲介手数料は「成功報酬」なので、実際に売却することができた
不動産会社だけに支払えば問題ありません。
また「仲介手数料」は法律により上限が決められています。
まれに広告に係った費用を請求してくる不動産会社あるようですので、
事前に確認をすることをオススメします。
一般媒介契約のメリット
同時に複数の営業マンと接することができますのでS様のやりとり次第では
営業マンを競わせることも可能かと思います。
また依頼をした会社の買いタイお客様にも情報がいち早く届くと思います。
一般媒介契約のデメリット
仮に3社と一般媒介契約を結んだとすると、ご自宅の案内の電話が3社からバラバラにかかってくることになります。
また不動産会社には売主様に販売活動の報告義務が発生しません。
専任媒介契約のメリット
不動産をお預かりした7営業日以内に「指定流通機構」という不動産会社だけが見ることができる
不動産のポータルサイトに公開をしなければならないと決められています。
ですので、他の不動産会社に情報が公開されないということはありません。
また窓口は1社になりますので電話は1社からしかかかってきません。
専任媒介契約のデメリット
依頼した会社の広告宣伝力や営業マンの力量に左右されます。
「まだ売るのは先になりそう。けど、どういった準備が必要になるのかは知っておきたい」最近気にされる方が増えております。「今すぐ!」じゃなからこそできる準備があります。「何のための準備ですか?」って?もちろん「高く売る」ための準備です!
土地、建物の名義
土地と建物の名義はどなたになっていますでしょうか?とくに相続は済んでおりますでしょうか?相続の手続きで思いの外時間がかかってしまって売り時を逃してしまった・・・なんてことにならないためにも時間がある今のうちにご準備されるのが一番です。通常であれば司法書士さんに依頼することが多い方と思います。「司法書士事務所なんて行ったことないし、どこに依頼すればいいのかわからない」という方も多いはず。イエステーション・アドレスでは司法書士さんのご紹介もできますのでお気軽にご相談ください。
見た目
「人は見た目じゃない」とはよくいいますが不動産は見た目が大事です。お掃除をしたら売却できた!なんてことはよくある話です。キッチン、トイレ、お風呂などの水回りをきれいにするだけでだいぶ印象は変わります。お金に余裕があれば壁紙の張替えがオススメです。かかった費用を売出し価格に上乗せしての売却活動も可能になります。(壁紙の張替えに80万円かかっても100万円上乗せして売れた!ということはよくあります。20万円も得しますね。)またお庭の雑草は伸び放題になっていませんか?購入を検討されている方はパット見の印象で判断してしまうことも多いものです。とにかく不動産は見た目が大事です。我が子のように不動産の第一印象をよくしてあげてください。
必要書類
不動産を売却するとなると必要となる書類がたくさんあります。一例を申し上げますと・・・
□登記識別情報(いわゆる権利証)
□印鑑証明(取得から3ヶ月位内)
□実印(お持ちでない場合には作成する必要があります)
□身分証明証
持っていない場合には作成したり、紛失した場合には手続きが必要になったり・・・と、いよいよ「売るぞ!」となったときに書類が間に合わない。なんてことにならないよう事前に確認しておくことをおすすめいたします。
現在住んでいらっしゃる場合
売却を検討している戸建てに現在お住まいの場合には当たり前ですが、引越し先を見つける必要があります。売買契約が決まって、引渡までの間に引っ越しをする方が大半ですが、時間に余裕がある今のうちから動いておいたほうがベター。次の住まいを足かせにしない賢い手順だと思います。イエステーションは全国に131店舗ございます。店舗があるエリアであればご紹介可能でございますので住み替え先のご相談もお気軽にお申し付けくださいませ。
関係者に話をしておく
突然「家、売ったよ」と話をして猛反対をされるご家族や親戚の方はいらっしゃいませんか?売買契約するまでは問題ないですが、一度契約をしてしまった後に「親戚が反対しているのでやっぱり売るのやめます・・・」となってしまうと金銭的ペナルティが発生してしまいます。もちろん買主さんにも迷惑をかけてしまうことになりますので「ちょっとあそこには事前に話をしておいたほうがいいかな」と感じることがあれば事前に地ならしをされておくとよいかと思います。実際に売却できたのに、親戚が購入された方へ嫌がらせを繰り返して弁護士から文書が届いた・・・なんて事例もあります。不動産は他の資産より「想い」や「感情」が強い資産になります。気持ちよく売却できるよう心のケアも重要です。
高く売る。
売り時を逃さない。
トラブルに巻き込まれない。
ためにも時間がある今から準備に入られるとよろしいかと思います。
もちろん相談は無料ですのでぜひイエステーション・アドレスにお問い合わせください!
わかりづらい不動産売却と消費税の関係をやさしく解説
不動産を売った場合、売主が個人の場合は消費税がかからないといわれます。
これは半分真実ですが、半分は間違った解釈です。
ここでは消費税のしくみと課税・非課税の違いや、消費税に関わる届出など、不動産売却と消費税について解説します。
消費税の課税のしくみ
消費税の課税対象をおさらいします。
-
-
-
- 課税される対象者は国内の「事業者」
- 対象となる事業の内容は「資産の有償譲渡と有償貸付」「有償の役務提供」「外国貨物の引取り」
-
-
上記の事業のうち非課税となる取引が以下のとおり定められています。
-
-
-
- 土地の譲渡と貸付
- 有価証券の譲渡
- 貨幣・紙幣・小切手・約束手形など
- 利息・信用保証料・信託報酬・保険料・共済掛金など
- 郵便切手・印紙・証紙
- 商品券・プリペイドカード
- 登記・免許・検査・試験・証明などの交付手数料
- 外国為替取引手数料
- 健康保険・労災保険・自賠責保険の対象となる医療
- 介護保険による介護サービス
- 社会福祉法にもとづくサービス
- 助産サービス
- 火葬・埋葬にかかわる役務
- 身体障害者用物品の譲渡や貸付
- 学校教育
- 教科用の図書
- 居住用の住宅貸付
-
-
上記のものは「非課税」であり「不課税」ではないことに注意が必要です。
消費税は最終的に消費者が負担するのですが、納税行為を行うのは課税される対象となる事業者であり個人事業者と法人になるわけです。
土地の売買に消費税はかからない
土地は前述のとおり “非課税” になります。したがって土地の売買において、土地代金に含まれる消費税はないのですが、目にみえない形で消費税が含まれている場合があります。
たとえば土地を更地で取得し造成工事を行ったうえで販売する場合、造成工事費には消費税が含まれており、売主は消費税を含んだ造成工事費を上乗せして土地の販売価格を決めます。
結果的に土地価格には消費税が含まれる部分があるのですが、消費税として納税する義務は売主にも土地を購入した消費者にもありません。造成工事にかかわる消費税は造成工事業者が納税するわけです。しかし土地代金を支払う消費者が最終的に消費税分を負担していることに変わりはありません。
同様に事業者が支払う土地取得時の仲介手数料や消費者が土地を購入するときの仲介手数料は不動産会社が納税者となり消費税を納税し、消費者は手数料を支払うときに消費税を最終的に負担しているのです。
建物にはどんな場合でも消費税は課税される
建物はどのような場合でも課税されます。住宅を建築する時、購入する時には必ず消費税が課税されており、消費税を上乗せした価格で取得しています。
では、中古住宅として売却する場合にはどのようになるのか。2つのケースがあります。
-
-
-
- 中古住宅を事業として販売する場合は課税される
- 個人の所有者が事業として販売しない場合は非課税となる
-
-
消費税の課税対象は “事業者” に限られているので、事業者ではない個人が所有する不動産を売却する場合は、消費税は非課税になるのです。
繰返しますが、個人だから非課税ではなく、事業者ではない個人だから非課税となることに注意してください。
消費税にかかわる各種の届出
消費税課税事業者には納税義務を免除される場合があります。
2年前の事業期間の課税売上高が1,000万円以下の場合は、原則的に免除されます。
逆にいうと1,000万円を超える売上があった場合、2年後に事業をおこなっている人は、課税事業者になることに注意が必要になってきます。
事業者と消費税の手続きについて次のような種類があります。
- 消費税課税事業者届
消費税課税事業者になったとき
- 消費税課税事業者選択届
消費税非課税業者があえて課税事業者になるとき
- 消費税の納税義務者でなくなった旨の届出
消費税課税業者が非課税業者になったとき
- 消費税課税事業者不適用届出
非課税業者があえて課税業者になりその後元の非課税業者に戻るとき
1番と3番と2番と4番が次のように対になります。
| 課税業者になる時 | 課税業者でなくなる時 | |
| 法定 | 消費税課税事業者届 | 消費税の納税義務者でなくなった旨の届出 |
| 任意 | 消費税課税事業者選択届 | 消費税課税事業者不適用届出 |
課税事業者になるとき、ならないとき、いずれの場合も届出が必要になるのです。
不動産投資と消費税
不動産投資として賃貸物件を取得し賃貸事業をおこない、物件入れ替えのときに物件を売却する場合など、消費税課税事業者となってしまうことがあります。
- テナント物件など非居住用の賃貸事業
- 中古住宅や中古マンションなど賃貸用物件の売却
個人であっても上記に該当する事業をおこなっている場合、2年前に課税売上高1,000万円以上か、1年前の1月から6月までの期間に1,000万円以上の課税売上高があると、その年は課税事業者になってしまいます。
たとえば今年、アパート1棟を3,000万円で売却した場合、建物は800万円と仮定します。2年前には4,000万円でアパート1棟売却していました。建物価格は1,200万円です。
課税事業者になるかどうかの判定は2年前の課税売上です。この場合1,200万円が課税売上でしたので、今年は課税事業者となり、売却した建物800万円に含まれる消費税=約73万円は納税義務のある消費税になります。
ただし今年は1棟のアパート売却だけで終わると、課税売上は800万円なので2年後は課税事業者とはならないので、「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出」を提出しなければなりません。
なお売買契約においては、売却価格の土地と建物の区分をおこなうのは当然ですが、区分されていない場合には固定資産税評価額などで按分して計算します。
以上のようにマイホームを売却するなどの場合は、売主に消費税が課税されることはありませんが、売却した物件が中古住宅・中古マンションであっても「事業」と見なされる場合は、課税事業者になってしまうことがあります。
まとめ
消費税が10%になったことで、将来も税率が上昇する可能性があります。
また、課税される場合と課税されない場合とがあり複雑でわかりにくい税制ですが、消費税が制度化されすでに30年が経過します。
一般の個人が売却する不動産に課税されることは少ないですが、賃貸事業や不動産投資として物件の取得・売却を繰り返す場合は知らぬ間に課税事業者になっていることがあります。
課税事業者は届出が義務になっていますので、不動産売却の際には税務署に問い合わせするなど、確認するようにしましょう。
ONO SAKI アドレス株式会社 法務部 部長
2006年早稲田大学卒業 イエステーション・アドレスに新卒入社
不動産売買仲介営業部へ配属。その後、総務、経理、賃貸などを歴任し
2020年より法務部の新設とともに初代責任者に就任
不動産売却後にやってくる
「〇〇〇〇」とは!?
「不動産の売却が終わり一安心・・・」とほっと一息つきたいところですが、売主様には売却後に大切な手続きが残っております!
それが「確定申告」です。
確定申告とは
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得にかかる税額を計算し、納税するための手続きのこと。
不動産の売却後に確定申告が必要になる場合とは、売却益が発生した時です。
売却益とは、売却代金から取得費や諸経費(譲渡費用)を差し引いて、売却代金がプラスになった時のことを言います。 売却益は「課税譲渡所得」として区分され、売却益に応じた「譲渡所得税」を納める必要があります。「譲渡所得税」とは税金の総称で、これらを分解すると「所得税」と「住民税」に分けられます。 税金の計算の元となる「課税譲渡所得金額」は、以下の計算式により算定されます。
課税譲渡所得金額=売却代金-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(一定の場合)
「売却代金」:買主様に売却した金額です(売買契約書に記載されています)。
「取得費」:売却した土地や建物をもともと購入した時にかかった代金や仲介手数料、登記費用等を合計したもの。
「譲渡費用」:今回の売却に要した仲介手数料の他、測量費、貸家を売却した場合に支払った立退料、建物を取り壊して土地を売った場合の解体費用等が含まれます。
「特別控除額」:国税庁のホームページを参照して下さい。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3223.htm
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm
上記の計算で算出された「課税譲渡所得金額」に税率をかけて税額を計算しますが、その税率は土地、建物の所有期間によって変わります。
短期保有(5年以下)の場合:所得税30%(30.63%)、住民税9% 長期保有(5年超)の場合:所得税15%(15.315%)、住民税5%。
※ご自身が実際に所有していた期間のほか、相続や贈与で引き継いだ土地や建物の場合は、以前の所有者の所有期間をそのまま引き継ぐことが出来ます。
不動産売却で利益を得たにも関わらず、翌年3月15日までに申告をしていない場合には無申告税が加算され、納付すべき税額に対して、原則50万円までは15%、50万円超だと20%を余分に納めることになります。早めの申告を心がけましょう!
ちなみに確定申告の時期は、原則2月16日~3月15日までとされていますが、その時々で期限が延長になる場合があります。 今年は新型コロナウイルスの影響で延長が発表されました。 https://www.nta.go.jp/data/030202kigenencho.pdf
このように不動産売却後には確定申告の必要性があることを覚えておきましょう! 売却益が出た時は、確定申告は必須事項となります。
詳しい確定申告のケースはこちらの記事で解説しています。
一方で、売却益が出なかった場合も、税金を抑えることが可能となる場合があるので、忘れずに確定申告をしましょう。
ONO SAKI アドレス株式会社 法務部 部長
2006年早稲田大学卒業 イエステーション・アドレスに新卒入社
不動産売買仲介営業部へ配属。その後、総務、経理、賃貸などを歴任し
2020年より法務部の新設とともに初代責任者に就任



