お客様の背景

売主様

氏名Y様(60代)

ご職業:無職

お住いの地域:東京都

ご相談地域:福島県いわき市平

問い合わせ方法:一括査定

買主様

氏名:N様(30代)

ご職業:医者

お住いの地域:福島県いわき市

ご相談地域:福島県いわき市

問い合わせ方法:インターネット

ご相談内容

売主様

 いわき市から東京に住み替えをして数年経ち、もう住むことはないためいわき市の住宅を売却したいというご依頼を受けました。元々いわき市に転勤で居住されていましたが、定年間際に東京に転勤となり、そのまま東京に住むことになったそうです。インターネットでの一括査定から当社に興味を持っていただき、オンライン面談を経た後、対面での面談により当社に依頼することを決めていただきました。決め手は当社の強みである、社内のネットワークと販売価格だと伺っています。

買主様

 賃貸にお住まいでしたが、3人目のお子様が生まれることをきっかけに持ち家を購入されたいとのことでした。特に小学校、中学校共に歩いて10分以内に通える場所かつご主人の実家と同じいわき市平を希望されていました。また駐車場と庭があり、部屋数が最低4LDK以上という条件もございました。

ご提案した解決策

売主様

 売却にあたりリフォームが必要となる物件でした。リフォームは買主様のご負担となるので、売却価格を抑えなければ販売が難しくなります。その説明をきちんと行った結果、当初は坪単価25万円を希望されていましたが、22万円に下げ、リフォームと併せて買取価格を約3000万円にまで抑えることに成功。売主様もリフォームが必要と認識されていたようで、誠実に説明しご納得いただきました。

買主様

 最初に自社物件をご紹介しましたが、周辺の道路が狭いということでご希望に合いませんでした。そこで先述の条件に合致する物件を探していたところ、1週間前にお預かりした今回の物件が見つかり、ご契約に繋がりました。学校・スーパー・駅に近く高台にあるため水害も避けられる場所だったため、喜んでいただけたと思います。

担当営業より

イエステーションいわき平店

斎藤 眞智子

1番大切なのは、無理強いをせず、お客様の要望に寄り添うことだと思います。しかしお客様の要望に完全に一致する物件はほとんど存在しないのも事実。お客様の要望の半分以上を満たす物件があれば、積極的にオススメしています。不動産は大きな金額が伴うため、売主様も買主様も不安が大きいものです。その不安を解消するため、我々は調査・測量・建築・契約など様々な分野の専門家を揃え、お客様をサポートしていきます。どのような内容でも気軽にご相談ください。

自宅を建てようとしたら軟弱地盤だった!
売主に責任は問えるのか?

 土地を購入し、いざ建物を建てようとしたら土地が軟弱であることがわかった場合に、売主に責任を問えるかを解説します。

売主に責任を問う理由

 購入した土地が軟弱であった場合に地盤改良費用をどちらが負担するかについて明確な基準、規定はありません。個人対個人の売買と不動産会社と一般の方との売買とでは、売主の地盤に対しての知識や補償能力も違いますから、責任の軽重も異なります。買主負担とするものや売主負担とする事例もあり、ケースバイケースであるのが実情です。

 ここで売主に責任を問うには以下のような理由が必要です。
 1. 契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)
 2. 債務不履行責任
 3. 不法行為責任

 契約不適合責任とは耳慣れない言葉ですが、以前瑕疵担保責任と言われていたものが、民法が改正されて契約不適合責任となったものです。瑕疵担保責任から契約不適合責任になり、以下の3点が変わりました。
 1. 瑕疵担保責任は目的物が特定物であるときでしたが、改正後は特定物か不特定物かは問題にならず、引き渡された目的物が「契約の内容に沿っているか」が問われることになりました。(不特定物の場合は債務不履行の問題)
 2. 瑕疵担保責任では、瑕疵の有無が問題でしたが、改正後は「締結した契約の内容にあっているか」が問題になります。
 3. 瑕疵担保責任では、「隠れた瑕疵」であり「買主が善意」であることが要件となっていましたが、改正後は削除され要件ではなくなっています。

 以上のことから、後日のトラブルを避けるためには
 ● 責任の所在を契約書に明示すること
 ● 土地購入の目的が建物を建てることであることを明示することが大切になります。

 売主が、土地が軟弱であることを知っていながら告知していない場合には、明確に売主の責任になります。

住宅の品質確保の促進等に関する法律

 住宅の品質確保の促進等に関する法律では、地盤の強度・耐力は、基本構造部分に指定されておらず、この法律が直接規定するものではありません。しかし、地盤の強度・耐力は、基礎や建築物を支えるものですから、事実上、地盤調査の上で必要な改良工事を行うことが期待されていることの根拠となります。

 名古屋高裁平成22年1月20日判決の紹介

 「瑕疵担保責任」のときの判決ですが、興味深いので紹介します。
この事例では、売主は「造成地のため地盤調査後、地盤改良が必要となる場合があります。」と記載があるパンフレットを買主に渡していました。一審では買主が敗訴したのですが、高裁判決で覆り買主が勝訴、売主の責任が認められたものです。

 判決理由として、
 1. 地盤が軟弱であることを瑕疵として認定
 2. パンフレットへの記載は瑕疵を明示するものではなく、買主に過失は認められない
 として、売主に責任があると判示したものです。

 瑕疵担保責任の問題ですから、「隠れた瑕疵」の有無「買主の過失」が問題とされていますが、契約不適合責任となった現在では、より売主が責任を問われる可能性が高くなっています。今回の判決で「本件土地は地盤改良工事を必要とする。」と明示することが必要だとしていることに注目が必要です。

軟弱な地盤と調査・改良方法

 一般的には、地盤調査は建物の建築プランができあがってから行なわれます。建築プランができなければ、必要となる土地の強度を判断できませんし、必要な強化ポイントもわからないからです。地盤調査と改良工事の方法についても解説します。なお、費用は20坪程度の一応の目安として示すものであり、実際には土地の広さや建築プランなどにより異なりますから注意してください。

 軟弱地盤の定義

 軟弱な地盤かどうかについて、次のような判断基準があります。
 1. 過去に発生した地震の頻度、規模や程度
 2. 法令上要求される地質や強度
 一般的には震度5程度の地震に耐えられるかが判断基準とされます。

 地盤調査の方法

 地盤調査には次のような方法があります。
 1. スウェーデン式サウンディング試験
 2. ボーリング試験
 3. 表面波探査法

 1.スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)
 一戸建てを建てる前に行なわれることが多い地盤調査の方法です。ロッドの先端にスクリューポイントを付けて掘り下げスクリューポイントの深さによって地盤の状態を確認します。地下10メートルまで調査でき、費用は5万円〜6万円程度です。建物が既にある場合でも調査が可能です。

 2.ボーリング試験
 高層マンションなどの建築前に行なわれることが多い方法です。ボーリングマシンで地下10メートル以上掘り進めて、地盤の強度や組成を調査します。最も正確に地盤を調査できますが、広い土地でなければボーリングマシンを使えません。費用は25万円程度です。

 3.表面波探査法
 地面に振動を与え、地面の揺れを測定して地盤強度を調査する方法です。直接土地に穴を開ける必要がありませんから、遺跡調査などに利用されます。

 土地の改良工事の内容

 地盤改良工事には次の方法があります。
 1. 表層改良工法
 2. 柱状改良工法
 3. 鋼管杭工法

 1.表層改良工法
 小規模な地盤改良でされる工法で、深さ2メートル以内で土と強化剤を混ぜて地盤を強化します。

 2.柱状改良工法
 表層改良工法では強度が足りないときに行なわれ、マンション建築の際にも行なわれます。コンクリートの柱を数本打って地盤を強化します。

 3.鋼管杭工法
 柱状改良工法と異なる点はコンクリートではなく鋼管をくい打ちします。大型マンションや商業施設の建築の際に行なわれています。

 地盤改良費用は、行なう広さや求める強度によって変わってきます。柱状改良工法や鋼管杭工法では打ち込む柱の本数によって変わります。
一応の目安としては表層改良工法では50万円、柱状改良工法では80万円、鋼管杭工法では150万円程度となります。