別荘売却は今がチャンス!
売却前の準備も解説!

「子どもと遊ぶために別荘を買ったけど大人になったのでいくことがなくなった」
「相続したけど別荘にはなかなか行けない」
「高齢になったので自動車で遠出するのがつらくて別荘にいかなくなった」
などなど、「別荘を手放そうかな」と思いながら、決心がつかない方もいらっしゃるでしょう。
しかし、今は別荘を売るチャンスのときです。

今が別荘を売却する上でチャンスな理由

かつての別荘は普段の生活と完全に切り離されたぜいたく品であり別荘を所有していることがステータスの象徴の時期もありましたが、現在はバブル期は遠い昔バブル時代を知らない世代が増えており、別荘が普段の生活の延長であり一部になってきています。

コロナ渦でのリモートワーク

 インターネット網が普及したことにより、場所を問わずにインターネットに接続できる今日では、会社が地方に従業員を住まわせたり地方に拠点を設けたりすることが多くなりました。
 近年のコロナ禍のために在宅勤務が推奨されていることからも、テレワークやリモートワークができる環境が喜ばれます。
 テレワークやリモートワークであれば都市部に住む必要がなく、必要なときだけ会社に出勤すればよくなります。
 このようなことから、都市部とあまり離れていないけれど自然環境に恵まれてほどよく不便な別荘の人気が高まっています。

 また、別荘地はワーケーションの場としても注目されています。
 会社がある都市部から離れて自然が豊かな田舎やリゾート地でゆっくりと生活しながらリモートワークをするワーケーションは、新しい働き方として魅力をもっています。

田舎暮らしが人気                                                               

 都市部に住んでいるけれど田舎暮らしにあこがれている方が増えています。
 インターネット配信でも田舎暮らしの様子や情報がいろいろと発信されていることから、関心を持っている方が増えていることがうかがえます。
 都市部に暮らしながらいっきに田舎暮らしを始めるには不安があるので、まずは普段の生活は都市部で行い、週末に田舎で暮らして山登りや陶芸など趣味の生活をしたり、休日に農業を楽しんだりとセカンドハウスとしての需要が伸びていくでしょう。
 仕事の内容次第では、テレワークやリモートワークでセカンドハウスにいながら仕事ができることも田舎暮らしにあこがれている方の背中を押してくれるでしょう。

 田舎暮らしにあこがれている方には、都市部にない不便さや非日常性を楽しみたい方も多くいて、不便な立地であっても築年数がたっていても購入される傾向があります。
 バブル時代の避暑地人気とは異なり、都市部にある自宅から車でほどよい時間で通える田舎にあって、建物は自分の好みにリノベーションできる物件に需要が見込まれます。

自治体が支援                                                               

 

 ワーケーションを通じての地方活性化を期待して、地方自治体がワーケーションを支援する活動を行っています。
 ワーケーションとはworkとvacationを組み合わせた造語で仕事と休暇を両立させる働き方を指しています。
 2020年7月の「観光戦略実行推進会議」で国をあげてワーケーションを推進する方針が示されています。
 地方自治体にとっては、以下のような長期的なメリットが期待できるためにワーケーションを支援しています。

  ● 自然に囲まれた静かな場所で仕事をしたいと考えている方に自治体がワーケーションプランを提供できれば新たな顧客獲得につながる
  ● 多くの施設やホテルがワーケーションに対応できればその地域のワーケーション利用が増え、地域の雇用増加につながる
  ● 地域の空き家や空きホテルを活用できれば地域資源の有効活用になる
  ● ワーケーション利用者が地域を気に入ってくれれば移住し、人口増加につながる

 2019年11月に「ワーケーション自治体協議会」が設立されて以来、2022年には203の自治体が参加しており、古い別荘や民家のリノベーション、オンラインオフィスやコワーキングスペースなどワーケーション用の設備や体制を整える活動をしています。
 このような自治体の活動と連携できれば別荘売却のチャンスとなるでしょう。

売却にむけての5つの準備ポイント

以上のように現在は別荘売却のチャンスとはいえ、漫然としていれば売却はうまくいきません。
売却に向けて必要な準備はすすめておきましょう。

● メンテナンスと管理は入念にする
● 地元の不動産会社に売却を依頼する
● 最低売却価格を決めておく
● 更地での売却も検討する
● 空き家バンクに登録する

   メンテナンスと管理は入念にする

    あまり利用していないからこそ売却を決めることが多いのですが、別荘を利用しなければ管理が行き届かず、傷みもすすんでしまいます。
 売却までは、メンテナンスと管理をしっかりしておきましょう。
 古い建物でもリノベーションをして活用する方が購入することがありますが、いくらリノベーションをするからといっても、草がぼうぼうと生えていて、ゴミが散乱し、建物が傷んだままの状態では、購入希望者の気持ちがなえてしまいます。
 リノベーションを考えている方は、築年数を気にしませんが、トイレや風呂などの水回り、電気・ガスの供給、建物の基礎などはしっかりと確認をします。

          地元の不動産会社に売却を依頼する

 

 別荘を売却するときは、その別荘地ならではの特色や特長をしっかりとアピールできる地元の不動産会社に依頼すると売却しやすいでしょう。
 別荘の売却を専門にしている不動産会社もおすすめです。
 別荘ならではの売却方法を知っており、多くの顧客候補をもっていることが多いからです。
 また、別荘は全国的に購入希望者を募ると売却の可能性が広がるので、ネットによる集客力がある会社もよいでしょう。
 別荘情報を頻繁にホームページで更新しているような不動産会社だと別荘に興味がある方が閲覧することが多いでしょう。

  最低売却価格を決めておく

 購入希望者が現れて価格交渉があったときに、どこまでなら妥協できるか最低売却価格を決めておくと売買が成立しやすくなります。
 売却前に、自分自身でインターネットなどを利用して相場を知っておきましょう。
 現在は別荘売却のチャンスとはいえ、購入希望者が短期間に殺到することは期待できません。
 そのため、購入希望者から希望価格が打診されたときに、即断できる体制を整えておきましょう。

      更地での売却も検討する

  別荘が老朽化してリノベーションをしても利用できないような建物は取り壊して更地にした方が良い場合もあります。
 別荘を建てるときはこだわりがあってログハウスやレンガ造りの建物にすることがありますが、あまりに個性的な建物だと売却しにくい面があります。
 一般に土地、マンション、一戸建ての順に売却期間がかかるといわれています。
 順に物件の個別性が高まっていくので購入希望者との相性があるためです。
 ただし、建物を取り壊すと土地の固定資産税があがること、取り壊し費用がかかること、などのデメリットがあるので売却を依頼する不動産会社と相談しながら更地での売却を検討するとよいでしょう。

  空家バンクに登録する

 空き家バンクに登録すると、別荘がある地方自治体はもとより不動産ポータルサイトにも掲載されます。
 そのため全国の空き家を探している方の目にとまりやすくなります。

売却しにくい別荘の3つの売却方法

 売却に向けて準備をしてきたけれど、どうしても売却できないときには思い切った方法をとることも考えましょう。
 投資の世界では、「見切り千両、損切り万両」という言葉もあるように、持ち続けていると固定資産税や維持費などのコストがかかって損を出し続けることになります。

  諸費用を売主様が負担する

 不動産を購入する時には、所有権移転登記のための登録免許税や不動産取得税など費用がかかるので、購入をためらう方がいます。
 一般的にはこうした費用は購入者が負担するものですが、購入者の負担を軽くすると売却しやすくなるでしょう。

  リフォームを施してから売りに出す

 古い家をさがしてリノベーションをすることを楽しみに別荘をさがしている方もいますが、一方ではあまりに古すぎるとみすぼらしく見えて購入意欲を失うこともあるでしょう。
 長い間放置していたために荒れている別荘を売却するときには思い切ってリフォームをしてイメージを変えると購入希望者が現れる可能性もあります。
 ただし、リフォームに200万円かけたから200万円以上高く売却できるとは限りません。
 リフォームをする前に売却を依頼した不動産会社に相談しながら別荘地がある土地柄にふさわしいリフォームの規模やプランを策定していくのがよいでしょう。

   不動産会社に直接買取を依頼する

 どうしても売れない別荘でも不動産会社が買取ってくれることもあります。
 不動産会社は売り方を知っているので、一般の方では売却しにくい不動産でも購入してくれることがあります。
 直接買取なら仲介手数料はいらないので、少しお得に売却できます。  

お客様の背景

売主様

氏名H様(40代)

ご職業:不明

お住いの地域:関東

ご相談地域:福島県郡山市

問い合わせ方法:インターネット

買主様

氏名:O様(30代)

ご職業:広告関連

お住いの地域:福島県郡山市

ご相談地域:福島県郡山市

問い合わせ方法:インターネット

ご相談内容

売主様

 関東にお住まいの40代のご夫婦で、築30年ほどの物件を売却したいというご相談でした。関東の施設に入所されているお母様と共同で所有されており、以前は別荘として使っていたものの、管理が大変になったので売却を検討されたという背景がありました。

買主様

 30代のご夫婦で、小学生未満のお子様がお一人いらっしゃるご家族です。郡山市内のアパートにお住まいで、探していた地域も同じ市内でした。お子様も大きくなり、今後手狭になると考えて物件の購入を検討されていました。

ご提案した解決策

売主様

 物件は築30年ほどで、一部リフォームが必要でした。立地は郡山市街からは離れていますが、利便性は悪くなく、静かな環境を望まれる方には良いところだと思いました。今回懸念されたのが、手続きの面です。売主様が関東にお住まいで、さらにお母様が施設に入所されているということで、コロナ禍での手続きに予想以上に苦戦しました。しかし、実際に本人確認を行う司法書士と対策を検討し、無事完了することができました。最後はお客様から「ネット検索からのお付き合いで、当初不安要素も多少あったのですが、ご担当者様にもいろいろと連絡をとっていただき、気持ち良く取引ができました」とお声をいただけました。

買主様

 既に検討中の物件があり、契約まで進んでいらっしゃいましたが、トラブルにより中断している状況でした。そうした中、今回の物件は予算や立地も買主様のご希望条件にあっていたので、まさに理想の物件です。それでも決断に迷われているご様子でしたので、「その地域で過去にいくつ物件が出たのか」「今後出る見込みはあるのか」といった資料を作り、判断材料としていただきました。結果、実際にご入居を希望される時期なども勘案し、ご契約となりました。

担当営業より

イエステーション郡山富田店

川田 怜

遠方にお住まいのお客様は、やり取りや手続きに不安を感じていらっしゃると思います。実際、今回の事例でも売主様は遠方からのやり取りを憂慮されていました。しかし、電話などで細かくやり取りさせていただくことで、お客様のご心配を少しでも減らせることができたと思います。また、お客様の判断の材料となる当社でのデータや資料もご用意していますので、ぜひ一度ご相談ください。

取得費は5%だけ!?
不動産の取得費がわからないときの計算方法

相続した不動産を売却しようとしたら税金がかかると言われました。
「売買代金は5,000万円なので税金がどれだけくるのか心配!」
「経費はみてもらえないの?」
「領収書がなければ5%しか経費としてみてもらえないと聞いた!」
不動産を売却したら不動産譲渡所得税などの税金がかかります。
領収書などがあれば取得費を認められやすいのですが、取得費を証明できなければ5%しか取得費として認められないのが基本です。
この記事では取得費と不動産譲渡所得税、領収書がない場合の取得費の算定方法について解説します。

不動産の取得費とは?

不動産の取得費とは、不動産を購入した時にかかった経費です。
必要経費が多いほど、利益が少なくなるので税金も少なくなるのです。
購入したときには翌年に確定申告をするもののそれ以降は売買契約書や領収書を目にする機会はほとんどありません。
しかし、これらの書類は万一売却するときには取得費を証明する大事な書類になるので、わかりやすいところにきちんと保管しておきましょう。

不動産譲渡所得税に影響

      不動産の取得費は不動産譲渡所得税や住民税に影響します。
   不動産を売却したときは、発生した利益に対して不動産譲渡所得税や住民税がかかります。
   譲渡所得は次の計算式で計算します。
   売却利益=売却代金-(取得費+譲渡費用)
   3,000万円で購入した不動産を5,000万円で売却したときの差額は2,000万円ですが、経費としてさらに取得費や譲渡時にかかった費用を差し引くことができるのです。
   不動産譲渡所得税は所有期間によって税率が異なります。

   譲渡所得税 住民税   復興税  合計(%)
 5年以内  30  9  0.63  39.63
 5年超  15  5  0.315  20.315
                                               

所有期間によって税率が2割近くちがいますね。
また、マイホームを売却したときには3,000万円の控除があるなど税額が軽減されることもあるので適用もれがないように注意しましょう。

取得費の5%とは?                                                               

   自分自身が購入した不動産であれば購入時の売買契約書や購入当時の領収書を保管してあることが多く取得費の計算は簡単なことが多いです。
  しかし、親や祖父母が購入した不動産を相続して売却するような場合には当時の取得費を証明するのはほとんど不可能でしょう。
  相続した場合の取得費は相続時の時価などではなく、名義人(親や祖父母)が売買などで取得したときの価格です。
  このように取得費がわからないときは5%まで経費としてみることができるのです。
  No.3258 取得費が分からないとき|国税庁
  日本は昭和30年代の高度成長期を経て貨幣価値が大きく変わったのと都市開発が進んだために、それ以前に取得した不動産では仮に取得費がわかっても5%を取得費とした方が有利な場合もあります。
  実際の取得費がわかっていて5%よりも安かったとしても5%まで取得費とすることは違法ではありません。

不動産の取得費になるものは?

譲渡所得を計算するのに取得費が大事なことがわかりました。
以下のような費用が取得費になるので領収書を保管しておきましょう。

● 土地・建物の売買代金
● 建築費
● 売買の仲介手数料
● 売買契約書に貼った印紙代
● 取得時の登録免許税や司法書士報酬
● 不動産取得税
● 住宅ローンの利息

ただし、建物については取得額そのままではなく減価償却をした金額になります。
万一領収書がみつからなくても購入時の通帳で支払項目が確認できれば費用として認められることがあります。
領収書とあわせて通帳なども保管しておくと安心です。
No.3252 取得費となるもの|国税庁

取得費がわからないときの計算方法

    不動産が高騰したバブルのときに購入した不動産を売却するときなど「5%の取得費では納得できない」という場合もありますね。
    実は5%の取得費は税務署内の通達なので、それ以外に合理的に税務署を納得させる資料があれば証拠となる領収書などがなくても認められる可能性があります。

    具体的には次のような方法で取得費を算定します。
    ● 市街地価格指数
    ● 建物の標準的な建築価額
    ● 税理士や不動産鑑定士による不動産取得費査定
    ● その他の方法

        市街地価格指数

  一般財団法人日本不動産研究所が公表している「市街地価格指数」を参考にして取得時の価格を算定する方法です。
    全国の主要都市について変動指数が示されているので、この指数をもとに取得時の土地の価格を算定します。

   建物の標準的な建築価額

  国土交通省が公表している建築着工統計の「構造別:建築物の数,床面積合計,工事費予定額」参考にして建築当時の工事費を計算し、減価償却をして取得費を算定します。

  税理士や不動産鑑定士による不動産取得費査定

  税理士や不動産鑑定士が不動産の取得費を査定してくれるサービスを提供していることがあります。

  その他の方法

  ● 過去の路線価を調べる
     ● 登記情報に記録されている住宅ローンの債権額から購入代金を推測する

    路線価は国税庁が公表している数値なので、説得力があります。
    古い路線価をインターネットで検索するのは難しいですが、国会図書館に保管してあるので調べることが可能です。 

お客様の背景

売主様

氏名Y様(50代)

ご職業:不明

お住いの地域:宮城県柴田郡柴田町

ご相談地域:宮城県柴田郡柴田町

問い合わせ方法:ご紹介

買主様

氏名:M様(20代)

ご職業:不明

お住いの地域:宮城県岩沼市

ご相談地域:宮城県岩沼市

問い合わせ方法:インターネット

ご相談内容

売主様

 もともと、売主様がお持ちの物件の隣にある物件を私が担当しており、そのお客様から「隣のYさんも空き家を売却したいと言っている」とお話を伺って、私から売主様にお電話でご連絡を差し上げたのがきっかけです。

買主様

 お子様が生まれたことをきっかけに、賃貸から戸建てへ住み替えを検討されていました。生活のしやすさなどを考慮した結果、岩沼市内周辺の中古住宅を探しており、一番重視されていたのは立地です。

ご提案した解決策

売主様

 この住宅は相続されたご実家でしたが、老朽化に伴いご自身は別の場所に住み替えされていました。そのまま空き家として放置されており、親族でお住まいやお使いになる予定もありませんでした。隣の物件のお客様から情報をいただいて売主様にお電話したところ、「使っていない空き家で、買主様もほぼ決まっている」という売主様にとって好都合の状況だったので、そのまま売却する運びとなりました。

買主様

 最初にご案内した当該物件は築10年ほど経過しており、多少汚れがあってリフォームが必要な箇所がありました。同時期にご案内したもう1件の方が、築年数が浅くリフォーム済みで金額も安かったのですが、「立地面が気になり、家族3人で住むには大きい」とおっしゃったので、当該物件を購入されることに。リフォーム費用が約3000万円掛かり、20代半ばのご主人はローンを組むことに不安を感じておられました。そこで私が当社のリフォーム部門にご案内して金銭面でのアドバイスをし、銀行の責任者へ相談に行くことで、お悩みを解決しました。

担当営業より

イエステーション岩沼店

和嶋 俊介

前職は結婚式場に勤めており、縁あってアドレスに入社しました。私が仕事をするうえで重視しているのは、売主様・買主様とのやり取りです。不動産の売却・購入は初めてという方ばかりですから、失敗したくないと不安に思う方がほとんど。そのため、できる限り詳細な事情を伺って、お客様の不安を取り除き、100%ご満足いただけるご案内をしたいと考えています。このように徹底的にお付き合いすることで、お客様から「和嶋さんに任せれば安心」「不動産以外のことも相談したい」と思っていただくことが、私の目標です!

道路に接面していない土地とは?
道路に接面していない土地の売却方法を解説

「道路に接面していない土地」といわれても、「道に接面していない土地なんてあるの?」と思いますよね。
実は古くからの街並みにある家では、この「道路に接面していない土地」が思っている以上にたくさんあります。
この記事では、土地が接面していなければならない「道路」とはどういったものか、道路に接面していない土地を売却するにはどのような方法があるのかについて解説します。

道路に接面していないとは?

道路に接面していないとは、土地が接面している道路が以下の状態にあることをいいます。

●道路の幅が足りない
●道路に接面する長さが足りない
●袋地

道路の幅が足りない

        土地が接面している道路の幅員が4m以上ない土地です。

道路に接面する長さが足りない                                                               

道路に接する土地の長さが2m以上ない土地です。
旗竿地と言われる土地のように敷地延長されている土地で道路から奥まった場所に建物と敷地がある場合には道路から敷地にいたるまで幅2mが確保されていなければなりません。

袋地                                                               

   四方を他人の土地に囲まれている「袋地」は上記の道路に接していないので、当然道路に接面していない土地になります。

道路に接面していないと売却が難しい理由

  それでは、どうして道路に接面していないと売却が難しいとされるのかというと建築基準法によって基準を満たしていない道路に接面している土地では建築が許可されず、建物が建てられないからです。
  その他、条件を満たしていない土地は狭い道路ですから工事車両の通行が難しいため物理的に工事が難しくなります。
  このようなことから、購入希望者があっても住宅ローンが利用しにくくなること、建物を建てられなくてもかまわない方でなければ購入しないなど、購入希望者が限定されてしまうために、道路に接面していない土地は売却が難しいといわれています。
  以上のことからわかるように、ここでいう「道路」は建築基準法上の道路であり、普段考える道路や、道路法・道路交通法などでいう道路とは必ずしも一致しません。
  建築基準法には次のように定められていますので参考にしてください。
  (道路の定義)
  第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
  (敷地等と道路との関係)
  第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。

  建築基準法 | e-Gov法令検索

道路に接面していない土地を売却する方法

以上のように道路に接面していない土地は売却が難しいのですが、売却する方法があります。
接道義務を満たして売却する方法と、接道義務を満たさないままで売却する方法をそれぞれ紹介します。
なお、現状で幅員4m、2mの長さで道路に接面していない土地でも建築基準法第43条第2項によって例外として建築可能な場合があります。
この例外規定にあてはまらないか、役所に確認しておきましょう。

(敷地等と道路との関係)

   第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
  一.自動車のみの交通の用に供する道路
  二.地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路

  前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
  一.その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
  二.その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

 建築基準法 | e-Gov法令検索 

   接道義務を満たして売却

      道路に接面していないので売却が難しいのであれば、道路に接面するようにすればよいのです。
   道路に接面する方法は、2つあります。

   ● セットバックする
   ● 隣地を取得する

          セットバックする

  セットバックとは、道路の幅員を4m以上にするように自分の土地を後退させて利用する方法です。
  具体的には道路の両側に土地がある場合には、道路の中心線から2mの位置まで後退させます。
  道路を挟んで土地の反対側が河川などの場合は、反対側を後退できないので、自分の土地を4m後退させることになります。
  後退させるということは自分の土地であっても自由に使えなくなるということです。
  利用目的は道路に限定されるため、空地だからといって駐車場にしたり、花壇にしたりといった利用はできなくなります。
  また、自由に利用できる面積が減少するため土地の価格も有効に利用できる面積で査定され、再建築のときにはセットバックした後の土地について容積率や建ぺい率が計算されるので、その分大きな建物は建てられなくなります。

    隣地を取得する

  道路に接している長さが足りないので道路に接面していないとされる場合には、隣地の土地を購入するか貸してもらえないか検討してみましょう。
  隣の土地全部を購入する必要はありません。
  自分がすでに持っている土地とあわせて2m道路に接するように取得すればよいのです。

      接道義務を満たさないまま売却

    接道義務を満たさなくても以下のような方法で売却が可能です。
  ● 隣地の所有者に売却
  ● 更地にして売却
  ● リフォームして売却
  ● 不動産会社に売却

  隣地の所有者に売却

  道路に接面していない土地は地域内でほとんど同じ状態ですから、隣地の所有者も売却のときには同じ問題で悩むことになります。
  そこで、事情を説明して隣地の方に購入できないか相談してみれば意外とよい条件で売却できる可能性があります。
  隣地の方にとっては土地が広くなり、道路も確保できるので土地の利用価値があがるからです。

  更地にして売却

  建物がなくなれば建物を建てられなくても駐車場として利用したい方や資材置き場として利用したい購入希望者が現れる可能性があります。
  ただし、建築基準法上の道路に接面していないということは進入路が狭いということなので、その土地の利用は限られています。
  また、建物があるために固定資産税は1/6、都市計画税は1/3に減額されています。
  建物を取り壊して更地になれば固定資産税などが高くなることに注意しましょう。

  リフォームして売却

  再建築はできなくてもリフォームをして売却できないか検討しましょう。
  この場合には、リフォーム費用を出しても売却できなければ損失が大きくなるので、売却を依頼する不動産会社に相談しながら進めてください。

  不動産会社に売却

  不動産会社にはいろいろな土地を扱ってきたノウハウがあるので、道路に接面していない土地でも有効活用する知見をもっている可能性があります。
  付近一帯をまとめて買い入れ、宅地開発をする可能性もあります。
  売却を依頼する時には、不動産会社に直接買取できないか相談してみるとよいでしょう。

■不動産売却コラム

終活で考えておきたい不動産のこと

を更新しました。

終活で考えておきたい不動産のこと

終活とは、自分の最期と向き合い、人生のしめくくりの準備をすることです。
家族に老後や死後に迷惑をかけないように、家族が困らないように、身の回りの整理や葬儀・墓の準備などをしていきます。
なによりも、終活は自分自身が老後を健康で快適に暮らすための準備ととらえましょう。

終活でしておくこと

財産においての終活は、財産を記録して整理していくことです。
土地の境界確定をしたり、権利書や購入時の売買契約書などを確認したりしましょう。
自分の財産を整理しておくことで相続税の見通しをたてることができるので、相続税対策を検討することができます。
また、境界確定ができていない土地は相続人にトラブルを引き継がせてしまうことになりますから、できるだけ生前にトラブルの元をなくしておきましょう。
自分が亡くなった後の相続について、自分の気持ちを家族にうちあけ、家族の希望も聞いておくとよいでしょう。
場合によっては、遺言書を作成しておけば無用な相続トラブルを防止できることがあります。
特に不動産を相続すると遺産分割が難しいことがあり、住む人がいなくて空き家になってしまうと、不法投棄されたり犯罪に利用されたりするおそれがあり、また老朽化して資産価値が下がるので負の財産になるおそれもあります。

終活の目的はなにか

終活の目的はなにかを自分自身で確認しておくと、何をするべきかがみえてきます。
不動産に関する終活の目的には主に以下の3つがあります。
● 老後資金を得るため
● 相続税を節税するため
● 相続でのもめごとを予防するため

老後資金を得るため

        老後の資金を得るためには不動産の売却が考えられます。
     しかし、自宅を売却してしまえば住む家がなくなってしまいます。
  この相反する目的を満たすためには、子どもと同居する、アパートなどの賃貸住宅に住むなどがありますが、他にもリバースモーゲージやリースバックといった方法もあります。
     これらについては後から解説します。

相続税を節税するため

   一般的には現金と比べて不動産は相続税評価額が低くなるため、相続税を節約するためには現金を不動産に変えておくと有利です。
   他にもうまく生前贈与をしておくことで節税することも可能です。
      また賃貸にだすことでも相続税を節税することができます。
   ただし、不動産相続では遺産分割が簡単に進まないことがあるので注意しましょう。

相続でのもめごとを予防するため

      相続人のうちの例えば長男に特定の財産を引き継がせたい場合には遺言書を作成しておくと希望通りに相続させることができます。
   ただし、他の相続人の遺留分をおかさないように注意しなければなりません。
      終活の一環として、相続人である家族間で自分の気持ちを話し、他の家族の意見も聞きながら相続の準備をすすめていきましょう。

不動産の終活方法4つ

不動産の終活方法として以下の4つがあります。
● 売却する
● 賃貸する
● 生前贈与する
● 相続させる
それぞれの方法のメリットやデメリットを整理しておきましょう。

売却する

   不動産を売却すれば売買代金がもらえるので老後資金を確保できるメリットがあります。
   不動産が亡くなれば維持費や固定資産税がかからなくなることもメリットです。
     しかし、自宅を売却すれば住むところがなくなりますので住む場所の手当が必要になります。
     そこで、資金を得ながら住むところが確保できる方法が以下のリバースモーゲージやリースバックといった方法です。

リバースモーゲージ

      リバースモーゲージは自宅を担保にしてお金を借りる方法です。
   原則として、お金を借りた方が亡くなったときに不動産を売却して清算することになります。
   返済は利息だけなので返済負担も重くないこと、自宅に住み続けられることがメリットです。
   しかし、リバースモーゲージは変動金利型がほとんどなので、金利変動によって返済負担が重くなることがあります。
   また、不動産評価の見直しによって価値が下落した場合には、評価不足分の返済を求められたり相続人が返済を求められたりすることがありますから注意しましょう。

          リースバック

   リースバックとは、不動産会社などに不動産を売却して、売却後も賃借して引き続き住み続ける契約方法です。
   ただし、賃借するため家賃が発生するのがデメリットです。

       賃貸する

   空いている土地などの不動産があれば賃貸して有効活用ができます。
   賃貸住宅にすれば相続税評価額が減額されるので相続税の節税になるメリットもあります。
        ただし、利便性がよくなければ賃貸にだしてもメリットが少なく、維持費や修繕費などが負担になることがあります。

       生前贈与する

   生前贈与をすれば財産を希望する人に確実に引き継ぐことができます。
   贈与する人を含めて他の相続人に話しておくことで相続トラブルを未然に防ぐことも可能です。
   贈与すれば贈与税がかかりますが、生前贈与を上手に利用すれば相続税を節税できる場合もあります。

    相続させる

   持っている財産を何もしないでそのまま相続させることも可能です。
   相続させる場合には、相続した不動産を子や孫が利用する予定があるか、相続の話し合いでもめる可能性はないかを考慮しておきましょう。
   元気なうちに自分の気持ちを家族に伝えておくことで相続トラブルを予防することができます。
   場合によっては遺言書を残しておくことも検討しましょう。
        遺言書の方式は主に以下の2つが利用されています。

       ● 自筆証書遺言
       ● 公正証書遺言

       自筆証書遺言

  相続財産のリストを除いて遺言書本文、日付、氏名を自筆で記入して捺印する方法です。
     自宅に保管しておくことも可能ですが、遺言書があることを誰も知らなかったり、遺言書を破棄されたり偽造されたりするおそれがあること、様式違反で無効になるおそれがあること、遺言書の内容に不備があるため活用できないことがあることなど作成には注意が必要です。
       その他自筆証書遺言の場合は家庭裁判所で検認手続きが必要になるので注意しましょう。
       なお、法務局が自筆証書遺言を預かってくれる制度があり、この制度を利用すれば家庭裁判所での検認手続きが不要になり、紛失のおそれもなくなります。

       公正証書遺言
       公証人が遺言書の内容をチェックしてくれるので法的な不備がおこらず、紛失のおそれもありません。
       ただし、相続財産の額によって遺言書作成費用がかかることがデメリットです。