今回は、大洗町にある人気店「かあちゃんの店」をご紹介します。

大洗町は、太平洋に面した茨城県の海岸線のほぼ中央に位置し、漁業と農業が盛んな町です。大洗漁港では毎日豊かな海産物が水揚げされています。

大洗町で始まったプロジェクト

2009年、そんな大洗町でひとつのプロジェクトが立ち上がりました。

《海産物を使い、他にない海鮮料理を提供したい。その際、独自の特色を出せないものか》

大洗漁港では既に、海鮮丼などを販売するお店はたくさんあります。今回大切にしたのは

“大洗で水揚げされた旬の地魚を多くの方に気軽に楽しんでいただきたい”

という漁師の奥さんたちの想いでした。そうして決まったのが「かあちゃんの店」というネーミングです。

大洗町漁協直営店のおふくろの味

2010年4月に大洗漁協直営でオープンしました。

すると、あっという間に人気店になったのです。今では、平日でも開店の10時前から店先には行列ができ、休日ともなれば数時間待つことも珍しくありません。

理由は、「かあちゃん」という言葉がもつ温かさと、かあちゃん(漁師の奥さん)たちが作るおふくろの味が老若男女のニーズにマッチしたからでしょう。しかもロケーションは大洗漁港のど真ん中です。

しかし、悲しいできごともありました。2011年3月の震災では津波の被害を受け、2001年8月にはコロナウィルスの流行で1ヶ月弱閉店しました。

こうした困難を乗り越えて、かあちゃんの店は元気に営業しています。今では大洗で一番の行列店になりました。お店の裏には団体客専用の別館も作られ、別メニューを楽しむことができます。

そして、かあちゃんたちが作るのは豪快な漁師飯というのではなく、四季折々の魚を使った繊細で上品な味付けです。かき揚げの衣は薄目で、サクサクと揚がっています。

その一番の秘密は、その日水揚げされた新鮮な魚介を使っていること。汁ものは日替わり、酢の物や漬物も手作りで、大洗の家庭の味つけを楽しむことができます。

一枚一枚丁寧に作った干物も店頭で販売され、人気を集めています。

今や、「大洗といえばかあちゃんの店」というほどの人気と地名度があり、平日でも開店前から行列ができるほどです。狙い目は平日の11時ぐらいです。混雑する前に訪問して、かあちゃんたちの真心のこもった味を堪能してみてください。