東北に春を告げる桜(ソメイヨシノ)として知られる、福島地方気象台・小名浜特別地域気象観測所(旧小名浜測候所)の旧標本木があるいわき市は、全国有数の面積を誇り市内各地に桜の名所が点在。
5月の大型連休ごろまでおよそ1カ月にわたって花見を楽しめる。
今年は旧標本木が1953年の観測開始以降、2002年の3月25日に次ぐ2番目に早い3月28日の開花を記録した。長年にわたり桜前線東北入りを発信してきた旧小名浜測候所は2008年に無人化。
桜の観測が行われなくなり、09年以降は市民団体と職員OBらが独自に開花を発表している。
開花を観測した、小名浜測候所元解説官の島田栄二郎さん(74)は「今年の冬は寒かったが3月中旬以降に暖かい日が続き、一気に花が開いた」と喜んだ。
同測候所は海から300メートルほど内陸にあり、東日本大震災の津波で被災。
3本ある標本木の桜も約60センチの高さまで波をかぶったが、地元造園業者が手当てして毎年、花を咲かせている。
小名浜まちづくり市民会議の山内朋之さん(42)は「津波に負けない桜を見習い、東北のトップバッターとしてわれわれも頑張りたい」と話した。
市内には勿来の関公園や富ケ浦公園、松ケ岡公園などの花見の名所をはじめ、樹齢500年ともいわれる小川諏訪神社のしだれ桜や、新川沿いの桜並木など、市内全域で桜を愛でることができる。
県内でもっとも遅い花見スポットといわれるいわきの里鬼ケ城は、青森県の桜に匹敵する4月下旬から5月の大型連休ごろまでさまざまな桜を観賞できる。
標高600メートルに位置する敷地内には、ソメイヨシノや八重桜など、22種2500本以上の桜が来館者を迎えてくれる。