家を売却したら赤字に!
利用できる税制特例

 家を売却する時にはできるだけ高く売却したいところですが、残念ながら必ずしも売却利益がでるわけではありません。今回は、家を売却して赤字になる場合に利用できる税制特例について解説します。

近年の不動産価格事情

 ほとんどの場合、建物は新築したときが最も価値が高く、時が経てば価値は下がります。また、近年は土地の価格も下落傾向にあります。国土交通省が公表した令和3年の地価公示結果の概要を参照してみましょう。住宅地の地価は総じて減少傾向にあることがわかります。三大都市圏では0.6%の下落、全国平均では0.4%の下落となっています。

令和3年地価公示の概要

 売却物件の周辺が再開発されるなど利便性が高くなった場合などを除き、ほとんどの場合は購入時よりも売却時の価格が上昇することは期待できません。

税制特例を利用するには確定申告が必要

 税制特例を受けるためには、確定申告が必要です。

 利益がでた場合の譲渡所得の特例でも、損失がでた場合の特例でも税制の特例を受けるためには確定申告が必要です。確定申告の時期は売却をした翌年の2月16日から3月15日となっています。勤務先の会社などで年末調整をされていても確定申告が必要になりますから注意しましょう。

自宅を売って住宅ローンが残っている場合

 自宅を売却した結果、売買代金が住宅ローンの残高を下回った場合にこの特例が利用できます。自宅の売買契約日の前日における住宅ローンの残高から売却価額を差し引いた残りの金額が、損益通算の限度額となります。

 (注)説明を簡潔にするため、減価償却などは考慮していません。

 No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)|国税庁

 特例の内容は、上記の限度額の範囲でその年の給与所得・事業所得など他の所得から損益通算をして控除できることです。さらに、控除額が上記の限度額に満たない場合は翌年から3年間繰り越して控除することができます。

 主な適用要件は以下のようになっています。詳細は上記国税庁のホームページを参照してください。

 ●国内にある所有期間が5年超しの自宅を売却
 ●住宅ローンの返済期間が10年以上残っていること
 ●所得が3,000万円以内であること
 ●売却先が親族など特殊な関係にないこと

買い替えのために自宅を売った場合

 自宅を買い替えるために売却した結果、損失がでた場合に特例を利用できます。生じた損失が控除額となります。損失をその年の所得によって控除しきれない場合には、翌年から3年間繰り越して控除することができます。主な適用要件は以下のようになっています。詳細は国税庁のホームページを確認しておきましょう。

 ●国内にある所有期間が5年超しの自宅を売却
 ●新居のために10年以上の住宅ローンを利用すること
 ●所得が3,000万円以内であること
 ●売却先が親族など特殊な関係にないこと
 ●50㎡以上の床面積がある建物に居住すること

 No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)|国税庁

確定申告に必要な書類

 確定申告にはそれぞれの特例について、要件にあてはまっていることを証明する資料を添付して申告します。
 二つの特例に共通な資料は下記の通りです。

 ●居住用財産の譲渡損失の金額の明細書
 ●居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書
 ●不動産の登記事項証明書・不動産売買契約書

 その他住宅ローンの特例を受けるためには住宅ローンの残高証明書、買換え特例を受けるためには新居の登記事項証明書などを添付することになります。また、繰越控除を受けるためには毎年連続して期限内に申告をすることになります。

特例を受けた場合の計算例

 どのように計算するか具体的に検討してみましょう。

 譲渡損失を計算

 売却した損益の結果は次のようにして計算します。

 損益額=譲渡金額-(物件の購入金額+取得費+譲渡費用)

 ただし、建物については減価償却を行う必要がありますが、ここでは省略します。また取得費には、以下のような費用を算入することができます。

 ●仲介手数料
 ●設備費・改良費
 ●登録免許税などの登記費用
 ●不動産取得税
 ●特別土地保有税(取得分)
 ●印紙税(売買契約書に貼付した収入印紙)

 仮に7,000万円で購入した不動産を3,000万円で売却し、譲渡費用に500万円かかったとすると

 3,000万円-(7,000万円+500万円)=▲4,500万円となり、4,500万円の損失となります。

 損益通算

 売却した年については損益通算を行ないます。年間所得額が1,000万円だとします。

 1,000万円-4,500万円=▲3,500万円

 となりますから控除しきれなかった3,500万円については繰越控除を利用することになります。

 繰越控除

 売却した年で控除しきれなかった3,500万円を3年間にわたって繰越控除を繰り返します。

 1年目 1,000万円-3,500万円=▲2,500万円
 2年目 1,000万円-2,500万円=▲1,500万円
 3年目 1,000万円-1,500万円=▲500万円

 この例では3年目で500万円控除しきれなかった結果になりますが、繰越控除はこれで終わりになります。

家の売却で赤字を抑えるためにできること

 家を売却するにあたってなるべく高く売りたいと誰もが希望することです。できるだけ高く売却するためには、以下の点に注意しましょう。

 ●複数の不動産業者から査定をうける
 ●売却する不動産を得意とする不動産業者に売却を依頼する

 売却に際して複数の不動産会社から査定をうけることは有効的です。ほとんどの会社は無料で査定をしてくれますし、複数の不動産会社を探すのが面倒であれば一括査定サイトを利用してみましょう。また不動産売買を専門にする不動産会社には、いろいろな業種があり得意とする分野があります。住宅を得意とする不動産会社もありますし、商業地や投資物件を得意とする不動産会社もあります。また売却する家の近くの物件をたくさん扱っている不動産会社であれば購入希望者のリストもそろっていますから、売却しやすくなります。もっとも、自宅をきちんと整理整頓し、ハウスクリーニングをするなど、きれいな見栄えを保つことも家を高く売却する秘訣になります。
 複数の査定などを通じて信頼できる不動産会社をみつけ、相談をしながら売却活動を行なってください。

お客様の背景

売主様

氏名H様(40代)

ご職業:会社員

お住いの地域:福島県郡山市

ご相談地域:福島県いわき市

問い合わせ方法:当社でご購入されたマンションだったので、売却もご依頼いただきました。

買主様

氏名:S様(30代)

ご職業:大学教員

お住いの地域:宮城県名取市

ご相談地域:宮城県名取市

問い合わせ方法:ご来店

ご相談内容

売主様

 いわき市から郡山市に転勤することになり、もういわき市に戻ってくることはないだろうとのことで、所有していたマンションの売却を考えられたそうです。元々当社から購入したマンションだったので、売却についても当社にご依頼いただきました。

買主様

 買主様の息子さんが関東からいわき市に戻ってくることになり、「息子のために実家近くのマンションを1部屋購入したい」とお申し出いただきました。当社を選んでいただいた理由は、インターネットで調べたところ、実家近くの不動産を多数保有していたのが当社だったからだそうです。

ご提案した解決策

売主様

 売却方法は、当社が仲介して買主様を探す方法と、当社が一度買い取ってから買主様を探す方法の2種類あります。当社が買い取る方法は即時現金化できるメリットがある一方で、仲介と比べると売主様の利益が少なくなるデメリットがあります。今回は転勤後に手元に残る金額が多い方が良いとご要望いただいたので、仲介して買主様を探す方法をご提案しました。

買主様

 複数の物件を提案するなかで、ご希望の条件を考慮して、実家から徒歩5分以内と非常に近い距離にあり、加えて商業施設にも近いというメリットのある今回のマンションをご提案しました。買主様にもご満足いただけ、そのままご成約に至りました。

担当営業より

イエステーションいわき平店

長谷川 優太

多くのお客様にとって、不動産会社に足を運ぶ機会は一生に一度あるかないかだと思います。その機会を大事にするために私が仕事をする上で心掛けているのは、お客様一人ひとりのお話を一生懸命聞くことです。売却・購入したい理由を深掘りし、本当に売却した方がいいのか、それとも賃貸にしたり手元に残したりした方がいいのか、お客様にとって最善の策を検討した上でご提案するようにしています。小さなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください!

■不動産売却コラム

家を売却するときに火災保険はどうする?返戻金は?

を更新しました。

家を売却するときに火災保険はどうする?
返戻金は?

 家を売却するときには、引き渡しに向けていろいろな準備が必要です。今回は、家を購入する時にほとんどの方がかけている火災保険について、解約方法や解約時期について解説します。

火災保険にはほとんどの方が加入している

 火災保険は家を購入する時に安心して住み続けるために大切な補償ですから、ほとんどの方は加入しています。また、以前は住宅ローンを組む際に火災保険に加入することが条件であることや金融機関が火災保険に質権を設定するために火災保険に加入することが必要でした。

火災保険の補償内容

 火災保険の主な目的は建物が火災にあったときに補償をうけることですが、オプションの契約内容によって以下のような損害についても補償されます。

 ● 自然災害(水害、落雷、雪害)
 ● 爆発
 ● 車の衝突
 ● 水漏れ
 ● 盗難

 火災保険では建物の損害だけでなく家財に発生した損害も補償されます。自然災害のうち、地震については火災保険に含まれず別に契約をすることになります。地震保険は火災保険とセットになりますから、地震保険に入るためには火災保険に加入することが必要です。

火災保険料の支払方法によって異なる返戻金

 火災保険料の支払い方法は、1年払いや数年分をまとめて払うことができます。火災保険を解約したことによる返戻金(へんれいきん)は、数年分をまとめて払っている場合に発生します。まとめて払える期間は、2015年10月以降は最長で10年になっています。それ以前は35年間の火災保険に加入することができ、保険料を一括払いすることもできました。一括してまとめ払いをすることで保険料が割り引かれますから、まとめ払いをした方は多いです。
 保険契約期間を35年間として一括払いしている場合に10年経過後に保険を解約すれば残りの25年間は余分に保険料を支払うことになりますから、この払い過ぎた期間の保険料が返金されます。同じ残存期間でも保険会社によって返戻率は異なりますから、保険会社に問い合わせて確認しておきましょう。

 ちなみに近年自然災害が多発しており火災保険にもその影響があります。2022年10月から火災保険の最長契約期間が10年間から5年間に短縮されることになっていて、保険会社は順次対応していく予定です。

加入している保険の調べ方

 家を売却することが決まったら火災保険を解約するために、どの火災保険に加入しているかを確認しておきましょう。
 加入している火災保険の確認方法は次のようになります。

 ● 保険証券で確認
 ● 保険会社からのお知らせで確認
 ● 通帳の取引履歴で確認
 ● 住宅ローンを組んだ金融機関に問い合わせて確認

火災保険の解約手続き

 それでは、火災保険の解約手続きの進め方について解説します。

 自分から通知が必要

 火災保険を解約するには契約者本人が保険会社に解約を申し出なければなりません。家を売却したことは保険会社にはわからず、解約しなければいつまでも保険料を支払うことになります。火災保険を解約するには、保険証券が手元にあれば記載してある保険代理店に連絡をします。連絡をうけて保険会社から解約に必要な書類が郵送されますから、必要事項を記入して保険会社に返送しましょう。返戻金を入金してもらう口座を記入するようになりますから、間違わないように気をつけましょう。

 火災保険を解約する時期

 火災保険の解約は家を引き渡した後に行ないます。火災保険を解約すればその時点で補償が終わるためです。保険の残り期間分の保険料が返戻されることから、なるべく早く解約したいところですが、保険の解約は家を引き渡すまでするべきではありません。火災保険を解約した後で火災や水害などの災害が発生するおそれがないとはいえないためです。引渡し日が決まったからといって、予めその引渡し日をもって解約することを予約することもおすすめできません。万が一引渡し日が変更になった場合に補償がないことになってしまうからです。引渡しのために家を引っ越す場合でも引渡し日までは保険を継続しておきましょう。空き家になった戸建では、空き巣に狙われることもあり、強風で飛ばされてきたもので外壁や瓦などが壊れてしまうおそれがあります。

 かけ続けても得はありません

 火災保険をかけ続けても得はありませんから、家の引き渡しが終わったらすぐに火災保険を解約しましょう。保険料を支払い続けたとしても、引き渡しが終わり家の名義変更がされた後では、たとえ保険対象の災害などが発生しても以前の所有者に保険金はおりません。返戻金の額は、解約日から未経過分の計算を行ないますから、引き渡しが終わればなるべく早く解約をすることをおすすめします。

 現在の火災保険は新居に適用できません

 現在加入している火災保険は新しい家に適用されませんから家が変われば新しく火災保険に加入することになります。住み替えで家を売却する場合に、せっかく今まで火災保険に加入しているのでそのまま継続したいとか、今までの保険を流用できるだろうと考えてしまいますが、流用はできません。火災保険の保険料は、建物の構造や広さ、資産価値などの条件によって異なりますから、建物が変わると保険の適用がなくなります。

 火災保険に質権が設定されている場合

 売却する建物の火災保険に質権が設定されていないか確認をしておきましょう。以前の住宅ローンの利用時には火災保険に質権が設定されている場合があります。手元に火災保険の証書が見当たらない場合には、金融機関が火災保険に質権を設定して火災保険証書を保管しているケースがあります。質権が設定されている火災保険の場合には、契約者が勝手に解約をすることができませんから、金融機関に連絡して家を売却する旨を伝え、住宅ローンを返済することと並んで質権が消滅することの承諾書を発行するように依頼しておきます。火災保険に設定されてある質権が抹消されれば火災保険の解約ができることになります。

 火災保険に質権

 万が一の際におりる保険金を金融機関が優先的に受け取ることができる権利が質権です。火災で家が焼けたときには保険金がおりますが、質権が設定されている場合には契約者ではなく質権者である金融機関に対して保険金が支払われます。住宅ローンを利用している場合に金融機関が確実にローンを回収する手段として利用しています。

 解約前にすべきこと

 火災保険を解約する前に、家を確認して保険適用される破損がないかを確認しておきましょう。売買代金の授受が終わり家を引き渡した後でも、売主が責任をもつ欠陥が発見された場合には売主が修繕費を負担しなければなりません。しかし、引き渡した後ではたとえ火災保険を解約していなくても保険金はおりませんから補修費を自己負担することになってしまうからです。火災保険に入っていても、火災保険は火災しか補償されないと思いこんだり契約したオプション部分を忘れていたりすることは多いです。台風の影響で雨漏りしているときや門扉が破損しているときには保険金がおりる場合があります。いつ、なぜ破損したかわからないでそのまま放置していた場合でも火災保険を適用できないか保険会社に相談してみましょう。保険会社が調査して補償対象とされれば保険金が支給されます。破損個所を修理しておけば家の価値も上がります。せっかく火災保険に入っているのですから、売却時にはしっかりと活用することで有利に安心して売却をすすめることができます。

火災保険以外にも戻ってくるお金があります

 火災保険以外にも売却する際に清算されるお金がありますから注意しましょう。

 固定資産税、都市計画税

 固定資産税や都市計画税は日割計算で清算するのが原則です。不動産には所有者に対して固定資産税や都市計画税が課税されます。1月1日(または前年の12月31日)時点の所有者宛に課税されますから、年度の途中で売買をする際は日割計算を行ない、売主と買主とで1年分を折半することになります。通常は仲介を担当する不動産会社が計算をしてくれますから確認しておきましょう。

 マンション管理費、修繕積立金

 マンションの場合には負担している管理費や修繕積立金も清算します。マンションの管理費や修繕積立金は毎月支払っているものです。月の途中で売却決済を行なう場合には日割計算によって清算をすることになり、こちらも不動産会社が計算してくれます。

 住宅ローンの保証料

 住宅ローンの保証会社に対して保証期間分の保証料を前払いしている場合には、未経過分の保証料が返戻されますから、住宅ローンの返済を連絡する時に利用している金融機関に確認をしましょう。

■地域ブログ

日立市を楽しむ春夏のイベント4選

を更新しました。

 日立市には一年を通して四季を感じるお祭りやイベントがたくさん開催されています!
 今回は春と夏にピックアップしてご紹介します。

日立さくらまつり(4月上旬)

 日本さくらの名所100選にも選ばれている平和通りを中心に行われる春のお祭りです。1kmの道のりに植えられた満開のソメイヨシノの下に露店がずらりと並びます。特に見どころは「日立風流物」と呼ばれるからくり仕掛けの山車です!高さ15mの山車で繰り広げられるからくり人形による芝居や、生演奏によるお囃子は多くの人を魅了します。またさくらまつり翌日には「日立さくらロードレース」と呼ばれるマラソン大会が開催され、県内外から大勢のランナーが集まり、満開の桜の下や海上のバイパスなど、市内随所を駆け巡ります。

ひたち国際大道芸(5月中旬)

 日立駅周辺と常陸多賀駅周辺をメインに開催される大道芸のイベントです。世界で活躍するパフォーマーが街を舞台にパフォーマンスを繰り広げます。ジャグリングやパントマイムはもちろん、空中ブランコやウォーキングアウトなど迫力あるパフォーマンスをなんと目の前で見ることが出来ます!またパフォーマーとのふれあいや体験ブースなども豊富で、見ても楽しい、参加しても楽しい五感を使ってフルに楽しめるイベントとなっています。

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ひたちサンドアートフェスティバル(7月中旬)

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 市内に6つある海水浴場のうちの一つ、河原子海水浴場で開催される有料イベントです。砂浜に並ぶクオリティの高い砂像の数々は圧巻の光景です!ステージイベントや飲食ブースも豊富で、フェスのような雰囲気を感じるイベントです。また海開きに合わせて開催されるということもあり、本格的な夏の訪れを感じることが出来ます。

日立港まつり(7月下旬)

 7月から9月にかけて市内の各地域で夏祭りが開催されますが、この「日立港まつり」が日立市内で最大のお祭りとなります。港で行うということもあり船の一般公開を行ったり、漁船パレードがあったりと海沿いの街らしいイベントも豊富です。お祭りのフィナーレには大輪の花火が打ち上げられ、その音は市内全域に響き渡ります。

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▼日立市

お客様の背景

売主様

氏名S様(40代)

ご職業:会社員

お住いの地域:福島県福島市

ご相談地域:福島県福島市

問い合わせ方法:折込チラシ

買主様

氏名:S様(30代)

ご職業:会社員

お住いの地域:福島県福島市

ご相談地域:福島県福島市

問い合わせ方法:インターネット

ご相談内容

売主様

 ご両親が亡くなり物件を相続されましたが、使用しておらず売却したいとご来店されました。築50年ほどの物件は道路に接していない奥まった場所にあり、車が入って行けず、再建築できないという一癖あるものでした。そのため当社に来る前に2~3社にお話されましたが、断られてしまったそうです。維持管理費がかかることや、建物自体が古く地震や暴雨で倒壊しないか心配なことを理由に、できる限り早く売却したいというご要望でした。

買主様

 ご自身でリフォームをされている方で、福島市内にある物件を修繕して貸したいというご希望をお持ちでした。インターネットで今回の物件をご覧になり、希望に合致した物件かもしれないと、ご相談いただきました。

ご提案した解決策

売主様

 当社が買主様との間に入って仲介する、もしくは当社が買い取りする2パターンをご提案しました。当社の買い取りですと売却金額が低くなってしまいますが、できる限り早く売却することを一番に優先されていたので、後者の方でご承諾いただきました。当社に名義が変わった時点で、維持管理費が掛からなくなったと喜んでいただけたのが良かった点です。

買主様

 低価格で販売している物件でしたので、まず現状をご納得いただくことが購入条件でした。後々トラブルを防ぐためにも、建物の状態はもちろん、隣に川があり台風時には水害があったことなど、立地の懸念点も含めて全てご説明いたしました。こうして事前にお話をしてご納得いただいていたこともあり、当社が買い取りしてからわずか3か月で、無事契約に至りました。

担当営業より

イエステーション福島店

大沼 和史

今回の事例で言いますと、どのような物件にも何かしら説明しなければならない事項があります。次に住む方が気持ちよく入居していただくために、説明が必要な事項を売主様からお伺いした上で、ご契約前に買主様にしっかりと説明することを心掛けています。また、他社に断られた売却物件でも「一度話を聞いてみたい」という買主様は多くいらっしゃるので、ぜひ一度当店にご相談ください。

■不動産売却コラム

家を売却する理由と伝え方のコツ

を更新しました。

家を売却する理由と伝え方のコツ

 家を売却するには様々な理由があり、家を購入しようとする方は売却理由を気にします。せっかく家を購入するのだから、より良いものを選びたいですし、なるべくネガティブな印象があるものは避けたい意識がはたらくためです。売却の理由によっては、査定額や売却できる期間も異なります。
 今回は、家を売却する理由を伝えなければならない場合と伝え方について解説します。

売主には「告知義務」がある

 売主には「告知義務」があり、必ず不動産会社や買主に伝えなければならないことがあります。ただし、家を売却する理由は告知義務とは直接の関係はありません。買主がネガティブな印象をもちそうなおそれがあることがらは、なるべく言いたくないものです。しかし、一方で不動産会社には宅地建物取引業法において告知義務があるとされており、売主は告知していない不具合について契約不適合責任を問われることになります。
 不動産会社に売却依頼をすると不動産会社から「物件状況確認書(告知書)」や「付帯設備表」と言われるものに記入を求められます。物件状況確認書は、雨漏りやシロアリ被害、周辺環境などについての状況を報告するものです。付帯設備表は、給湯、空調などの設備の有無や故障・不具合について報告します。これらに記載された内容は不動産会社から買主に伝えられます。内覧などで購入希望者から質問される可能性がありますから、告知書等にネガティブな内容があれば、合わせてその解決方法も事前に準備しておくと安心です。明確に告知義務がある事項については明確に記入する必要がありますが、記入すべきか判断がつきにくい事項については不動産会社に相談しながら記入しましょう。

契約不適合責任

 売買をした不動産が契約した内容に適合しない場合には売主は契約内容に適合するように補修をすることや代金減額、損害賠償あるいは契約解除などの責任を負います。2020年4月に改正施行された民法により従来の瑕疵担保責任が契約不適合責任に変更されたものです。契約不適合責任においては、売主がその不具合を知っていたか、外観からわかるものかが問題にならないことが重要です。問題になることは、その不具合があっても契約内容に適合するか否かです。売主が知っていて告知しなかった不具合については、たとえ契約不適合責任を負わない特約にしていても免責されないことに注意しましょう。

「告知事項」とは?

 不動産には買主が知っていれば購入しないだろうと思われる一般的な不具合や不都合があり、それを「瑕疵」といい告知事項になります。不動産についての瑕疵は以下のように分類されます。

 1. 心理的瑕疵
 2. 物理的瑕疵
 3. 環境的瑕疵
 4. 法的瑕疵

 1.心理的瑕疵
 過去に殺人事件や自殺などがあったような場合です。

 2.物理的瑕疵
 土地や建物自体にダメージがある場合をいいます。雨漏りやシロアリ被害などは物理的な瑕疵になります。

 3.環境的瑕疵
 売却物件の近くにごみ処理施設や火葬場など、一般的に敬遠するような施設がある場合です。

 4.法的瑕疵
 法律上の制限が及ぶ場合をいいます。例えば建築基準法を満たさないために建物を再建築できない場合や、都市計画道路が予定されているので建築制限があるような場合です。

 全てを正直に伝えなくてもよいこと

 売却したい理由が不動産の瑕疵に直接関係しない場合には、必ずしも正直に伝える必要はありません。例えば、離婚や住宅ローンの支払いが困難になったことが売却理由の場合には、売主本人のプライベートな理由ですから、必ずしも全て正直に伝える必要はありません。

売却理由

 不動産を売却する理由には、なかにはネガティブに受け取られる理由があります。

一般的な理由

 次にあげるような理由によって購入希望者が敬遠することは通常ありませんから、そのまま正直に伝えましょう。

 住み替えを理由にする場合。例えば以下のような理由が考えられます。
 1. 家族構成の変化(結婚、出産、親との同居、子どもの独立)
 2. 通勤・通学の便が悪くなった
 3. 転勤、転職になった
 4. 老後の便利などからマンションに引越したい

 その他、相続した親の自宅の売却や投資目的で保有していた物件の売却などの理由であれば購入希望者が躊躇することはありません。

ネガティブな理由

 一般的にネガティブにとらえられそうな理由であれば、告知の仕方も気をつけて不動産会社に相談しながら伝え方を考えておきましょう。売却理由が先に説明をした瑕疵にあたる場合には、正直に伝えておかなければ後日トラブルになり、思わぬ損害を招きますから注意してください。
 1. 住宅ローンが払えないなど金銭的な理由
 2. 離婚
 3. 立地が悪かった
 4. ご近所トラブル
 5. 家の欠陥・家が古くなった(老朽化)

不動産会社に相談

 不動産の売却依頼をする不動産会社には、売却する理由や土地建物の不具合を含めて全て正直に話すことが大事です。売買仲介を依頼する不動産会社は売主の代わりに購入希望者に不動産の説明をして購入希望者を募り、購入を交渉してくれる大事な窓口です。購入希望者は売買を仲介する不動産会社を信頼できなければ購入を決めることができません。
 そのためにはまず売主と不動産会社との間に信頼関係があることが大切です。不動産会社は今までの経験や知見をもっていますから、トラブルを回避する方法をよく知っています。同じ不都合な理由であっても言い方によってとらえ方は異なりますので、積極的に相談をしてアドバイスを得るようにしましょう。

伝え方のコツ

 原因はひとつでも、伝え方によってはとらえ方が異なります。伝え方を間違えてしまうと購入希望者はあらわれず、売れなくなってしまいます。
 例えば、自宅が手狭になったために売却するような場合には、「手狭になったから」というよりは「家族が増えたから」と伝えた方がとらえ方はよくなります。夜遅くまでにぎやかな店が開いている場合には、近くに飲食店があって便利な場所ですし、コンビニなどが近くにない場所であれば閑静な場所と言えます。
 一方のデメリットも見方を変えればメリットとなりますから、異なる視点でみることができないかを考えてみることも大切です。

■地域ブログ

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