
福島県郡山市のシンボル的な存在であり、市民から深く愛されている「21世紀記念公園 麓山の杜(はやまのもり)」。この場所は単なる公園という枠を超え、郡山の開拓の歴史、文化、そして現代の憩いが融合した特別な空間です。今回は、散策からティータイムまで楽しめるこの公園の魅力をご紹介します。
街なかに現れる深い緑の正体
郡山市役所からもほど近い、ビルや住宅が立ち並ぶ市街地の一角に、突如として深い森のようなエリアが現れます。それが「21世紀記念公園 麓山の杜」です。この公園は、かつてこの地にあった歴史的な背景を尊重しつつ、21世紀という新しい時代にふさわしい、人と自然が共生する場所として整備されました。
入口付近に設置された園内マップを見ると、その広さと多様性に驚かされます。中央に位置する広大な芝生広場を中心に、北側には噴水やバラ園、南側には歴史的な風情を漂わせる日本庭園や麓山荘、そしてシンボル的な建築物である「とんがりふれあい館」が配置されています。
開放感あふれる芝生広場とシンボル建築
公園の心臓部とも言えるのが、この「緑の広場」です。
訪れた日は、雲ひとつない青空が広がり、冬枯れの芝生さえも黄金色に輝いて見えました。この広場は非常に手入れが行き届いており、子供たちが走り回ったり、ピクニックシートを広げてランチを楽しんだりする姿が日常的に見られます。
視線の先にある大きな円錐形の建物は「とんがりふれあい館」です。その独特なフォルムは、かつてこの地域で見られた建築様式や、遊び心を象徴しているかのようです。館内には展示スペースや休憩所があり、地域のコミュニティ活動やワークショップの拠点としても活用されています。
公園内には、遊び心のある石のオブジェや、なだらかな傾斜を利用した造園が施されており、どこを切り取っても絵になる風景が広がっています。

歴史を語り継ぐ場所「麓山荘」への誘い
公園内を散策していると、ふと時代を遡ったかのような錯覚に陥る場所があります。それが日本庭園エリアに佇む「麓山荘(はやまそう)」です。
この石垣と茶褐色のサインボードが目印です。案内板には「杜の花壇」や「麓山荘・トイレ」といった表記があり、観光客にも分かりやすく整備されています。石垣の上に植えられた樹木が、外の世界との境界線を作り出し、ここから先は「静寂の時間」が流れていることを予感させます。
麓山荘は、郡山の発展を支えた先人たちの文化的な交流の場を再現、あるいは保存している貴重な建築物です。木造の落ち着いた造りは、見る者の心を穏やかにしてくれます。

お抹茶で味わう、極上の「和」のひととき
麓山荘の最大の魅力は、誰でも気軽に本格的な茶道文化に触れられる点にあります。
建物の入口には「お抹茶あります」と書かれた白い旗が風にたなびいています。この旗を目にすると、つい吸い寄せられるように門をくぐってしまいます。
麓山荘では、500円(菓子付)という非常にリーズナブルな価格でお抹茶を楽しむことができます。営業時間は10:00から15:00まで。毎週月曜日が休業日となっていますが、祝日の場合は翌日が休みとなります。
門をくぐると、美しく掃き清められた石畳の通路が続きます。右手に見える板塀や、丁寧に手入れされた庭木は、まさに日本の美の結晶です。中に入れば、畳の香りと共に、静かにお茶を点てる音が聞こえてくるでしょう。
提供されるお菓子は、季節に合わせた生菓子や干菓子で、郡山の老舗和菓子店のものが使われることもあります。お抹茶のほどよい苦味と、お菓子の優しい甘さが口の中で溶け合い、散策で疲れた体をじんわりと癒やしてくれます。

郡山開拓の歴史と「麓山」の由来
ここで少し、この場所の歴史について触れておきましょう。「麓山(はやま)」という地名は、郡山市民にとって非常に馴染み深い名前ですが、その歴史は安積開拓(あさかかいたく)の時代にまで遡ります。
明治維新後、不毛の地だった安積原野に水を引く「安積疎水」の事業が行われました。麓山周辺は、その開拓の成功を祈願する場所であり、また成功を祝う場所でもありました。現在、公園の隣には「麓山公園」という別の歴史ある公園もあり、そこには開拓の象徴である「飛瀑(ひばく)」という滝もあります。
21世紀記念公園は、そうした歴史的な重みを継承しつつ、新しい時代の市民の交流の場として2003年に開園しました。過去から未来へ、バトンを繋ぐ場所。それがこの「麓山の杜」なのです。
四季折々の楽しみ方
この公園は、訪れる季節によって全く異なる表情を見せてくれます。
春:桜と花壇の共演
春になると、園内の桜が一斉に開花します。また、案内板にあった「杜の花壇」には色とりどりのパンジーやチューリップが植えられ、公園全体がパステルカラーに包まれます。
夏:水辺の涼と緑の濃淡
夏は、噴水や水路で遊ぶ子供たちの声が響きます。とんがりふれあい館周辺の緑も一段と濃くなり、木陰は読書や休憩に最適なスポットとなります。
秋:紅葉の日本庭園
秋の見どころは何と言っても麓山荘周辺の紅葉です。カエデやモミジが赤や黄色に染まり、和風建築とのコントラストは見事というほかありません。
冬:澄んだ空気と静寂
今回訪れた冬の時期は、空気が澄み渡り、遠くの山々まで見渡せる日があります。落葉した樹木の枝ぶりが美しく、静かに自分と向き合う散歩には最高の季節です。
訪れる方へ
もし、あなたが麓山の杜を訪れるなら、最低でも1時間は時間を確保することをお勧めします。
- まずは「とんがりふれあい館」で地域の情報をチェック。
- その後、芝生広場をゆっくりと一周。
- 最後に「麓山荘」で、お抹茶をいただきながら庭を眺める。
このコースを辿れば、心身ともにリフレッシュできること間違いありません。また、公園内はバリアフリーにも配慮されており、ベビーカーや車椅子の方でも安心して散策が楽しめます。
結びに
郡山市が誇る21世紀記念公園 麓山の杜。そこは、都会の利便性と、歴史の深み、そして豊かな自然が絶妙なバランスで共存している場所でした。
地元の人はもちろん、観光やビジネスで郡山を訪れた方にも、ぜひ足を運んでほしいスポットです。ふと立ち止まって、空を見上げ、お抹茶を味わう。そんな贅沢な時間が、ここには当たり前のように存在しています。
次に郡山に来る際は、あなたも「麓山の杜」で、自分だけの安らぎの時間を見つけてみませんか?
ぜひ最寄りのイエステーションへご相談ください




