『とっておきの音楽祭』をご存じですか? 障がいのある人もない人も共に音楽を楽しみ、「心のバリアフリー」を目指す野外音楽イベントで、2001年にここ仙台で初めて開催されました。金子みすゞの詩の一節、「みんなちがって みんないい」を合言葉に、今では全国25ヶ所で開催されています。第22回目となる2023年度は全国から230団体、およそ1,700人が参加する大規模イベントとなりました。今回はそんな「とっておきの音楽祭」についてご紹介します。

あらゆる場所が音楽会場に

『とっておきの音楽祭』は「バリア」を取り払うため、ほぼすべての会場が屋外となっています。今回は仙台市内の商店街や公園など22ヶ所が会場となりました。仙台市中心部を歩くとどこからともなく楽しい音楽や歌声、笑い声が流れてきて、それは長引くコロナ禍で見ることの叶わなかった姿でもあり、滴るような緑と相まってとても感動的な光景に映りました。

③多種多彩な楽器と音楽
④多種多彩な楽器と音楽

音楽は一般的なギターやドラムなどのバンド演奏だけでなく、合唱やアカペラ、サンポーニャや和琴などの民族音楽も演奏されています。丁寧に手入れされたピカピカの楽器と名演奏を間近で見ることが出来るのも音楽イベントの楽しみのひとつ。心弾むテンポとハーモニーで満たされた街は、歩いているだけで思わず体がリズムを刻んでしまうようです。

会場スタッフが手話で説明

「バリアフリー」を謳うイベントならでは、バンドの説明は約50人の会場スタッフの方が手話を交えて行っていました。写真右で黒のTシャツを纏っている方が手話スタッフさんで、ゆっくりと大きく感情豊かに伝えて下さっていました。どんな人でも楽しめるよう行き届いた配慮の数々に、20年以上積み重ねてきたイベントの歴史を感じます。ちなみにメイン会場である「勾当台公園」の「勾当」は江戸時代にここに住んでいた盲人で狂歌師の花村政一(花村勾当)にちなんで付けられたそうです。「心のバリアフリー」を謳うイベントにぴったりの会場だと思いませんか。

観客も思わずダンス!

年齢も障がいも国籍も関係なく、素敵な音楽に皆さん一日中大盛り上がりです!

とても良い天候に恵まれた今回の『とっておきの音楽祭』はたくさんの人の笑顔が印象的でした。仙台は「楽都仙台」を謳い、1年を通してさまざまな音楽イベントが開催されています。

今回ご紹介した『とっておきの音楽祭』は毎年6月の第一日曜日に開催されます。素晴らしい音楽と風薫る欅並木のコラボレーションを味わいに訪れてみてはいかがでしょうか。