福島市には春になると多くの観光客が訪れる桜の名所「花見山公園」があります。四季を通じて、花を愛でながら散策できる、福島市の桃源郷と呼ばれる山です。実は、花見山は個人所有の山なのです。それを一般に開放しています。今回は、なぜ花見山公園が福島で愛される観光地になったのかをご紹介します。

昭和34年、花見山を一般開放「福島の桃源郷」

 花見山公園の第一歩は花見山公園初代園主の阿部伊勢次郎氏がやせていた土地に花を植えたことです。それを花見山公園2代目園主の阿部一郎氏が育み、昭和34年に一般の方に花を見てもらいたいと開放されました。

 花の名所として全国に知れ渡ったのは、写真家の秋山正太郎氏の尽力によるものが大きいです。昭和54年に初めて花見山公園を訪れてから、毎年撮影にきて、全国に紹介してくれました。「福島には桃源郷がある」と言ってくれたのも秋山正太郎氏です。それから現在に至るまで、花見山は全国有数の花の名所として愛されています。

▲花見山公園への順路

東日本大震災での1年間の休園

▲色とりどりの花や樹木

 花見山を一般開放してから一度だけ休園した年があります。それは東日本大震災の後です。苦渋の決断でしたが、震災をきっかけに、花や樹木を養生させ、翌年には待ち望む声を受けて、再開園しています。

 厳しい休園を乗り越えた、花や樹木は誇らしげに咲き、東日本大震災で傷ついた福島の人々の心を癒してくれました。

 現在では全国各地から観光客が訪れる福島市の花の名所となっています。桜の季節にはソメイヨシノやトウカイザクラ、ウメ、ハナモモなどの花たちが咲き、山全体が喜んでいるかのようにピンクに染まります。春の花見山公園には「ふくしま花案内人」というボランティアガイドがいますので、見所などを聞いてみるのもいいですね。

 花を眺めながら、山を登っていけば、福島市内を一望でき、天気が良ければ吾妻連峰、安達太良連峰が眺められます。桜が散り始め、山の雪が解け始めると、「吾妻の雪うさぎ」も見ることができます。

 桜が咲く春に訪れるだけでなく、四季を通じて楽しめます。初夏のアジサイやヤマユリ、スイレンなどを愛でるのも楽しみの一つです。また、花見山の頂上を抜けると、トレッキングコースもあります。十万劫山の頂上まで目指せば、自然を満喫できます。お弁当を持って、家族や仲間とトレッキングもおすすめです。

花見山公園

〒960-8141 福島県福島市渡利原

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