
常磐自動車道を北上し、関東平野からみちのくの玄関口へとさしかかる場所に、中郷サービスエリア(SA)は位置しています。茨城県最北の地、北茨城市にあるこのSAは、単なるドライブの休憩所ではなく、この地が生んだ偉大な童謡詩人、野口雨情の詩情に深く包まれた文化的なオアシスとして、特別な魅力を持っています。

野口雨情の童心に触れる詩碑公園
中郷SAが誇る最大の特徴は、施設に隣接して整備されている「野口雨情詩碑公園」の存在です。
北茨城市は、明治から昭和にかけて活躍し、「赤い靴」「シャボン玉」「七つの子」「雨降りお月さん」など、世代を超えて歌い継がれる数多くの童謡の作詞を手がけた野口雨情のふるさとです。SAの公園は、この郷土の偉人に敬意を表し、旅人がその詩情に触れられるよう心を込めて造られています。
上り線では「里山」を、下り線では「鎮守の森」をイメージしてリフレッシュされた庭園には、雨情の代表的な童謡の歌詞が刻まれた詩碑が点在しています。特に上り線では7基、下り線では6基の詩碑が設置されており、大きな花崗岩などに彫られた文字は、風景と一体となって旅人を迎えます。
旅の途中に車を降りてこの緑地を散策すれば、詩碑に書かれた「シャボン玉飛んだ、屋根まで飛んだ…」といった童謡を口ずさみ、童心に帰るひとときを過ごせます。NEXCO東日本では、「童謡誕生100年」を機にリニューアルしたこの公園を通じて、「ふと立ち寄ったSAで雨情の童謡によって童心にかえる機会を創出し、この先もずっと歌い伝えられること、そして、この先もずっと安全運転を!」という願いを込めているそうです。

地元愛あふれる名物グルメと利便性の高さ
中郷SAは、文化的な魅力だけでなく、ドライバーや旅行者にとって嬉しい地元の味覚や充実した設備も提供しています。
・爽やかな地元名物「中郷ラーメン」
フードコートの人気メニューは、SAの名前を冠した「中郷ラーメン」です。魚介だしをベースにした澄んだスープに、刻みタマネギとニラ、そして何とレモンがトッピングされているのが最大の特徴です。このレモンが魚介の旨味を濃厚に保ちつつ、後味をさっぱりとさせる新感覚の味わいを生み出しており、特に女性客からの人気を集めています。麺には柿ポリフェノールを練り込んだ中太麺を使用するなど、健康面にも配慮された一杯です。
・茨城の幸を味わう
上り線では、茨城の銘柄鶏である「つくば鶏チキンカツ丼」が、柔らかさとジューシーな肉質で高い評価を得ています。この他、海に近い立地から、揚げたてサクサクの「メヒカリ定食」など、茨城や福島の海の幸、山の幸を活かしたメニューも豊富に揃っています。
・愛犬家にも優しい設備
下り線の野口雨情詩碑公園の奥には、屋根付きのウッドテラス席が整備されており、愛犬と一緒に自然に囲まれながら食事ができる空間があります。テラス席の横には犬用の水飲み場やリードフックも用意されており、愛犬家にとっても安心して快適に過ごせる「ドッグフレンドリー」な環境が整っています。
ガソリンスタンド、EV充電施設、授乳室やオムツ交換台を備えたベビーケアルームなど、ドライブに必要な設備も完備されており、常磐道の旅を快適にサポートしてくれます。
まとめ
野口雨情の優しい詩情と、心温まる地元グルメ、そして自然豊かな癒やしの空間が融合した中郷サービスエリアは、常磐道での旅路において、必ず立ち寄るべき特別な場所と言えるでしょう。このSAで、日本の童謡文化と、茨城の自然の優しさを感じてみてはいかがでしょうか。
