國魂神社の歴史は、遠い昔の大同元年(806年)までさかのぼります。その頃の菊多の国造(くにのみやつこ)という地域のえらい人が、日本の神話の中心である出雲大社(いずもたいしゃ)から神様たちを招いて、お祀りしたのが始まりと言われています。出雲大社といえば、人と人との縁を結んでくれる神様として有名で、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)という日本の古い神様が祀られている、とても大切な場所です。遠い場所から神様たちを迎え入れたこと自体が、当時のこの地域がどれほど重要で、神様を大切に思う気持ちが強かったかを表しています。それ以来、代々の国造が自らお祭りを取り仕切り、地域の信仰の中心として大切に守られてきました。
さらに、保元二年(1157年)には、当時のリーダーだった国井政広(くにいまさひろ)さんが、今の奈良県にある春日大社(かすがたいしゃ)から神様を招き、この國魂神社に一緒にお祀りしました。春日大社は、藤原氏という昔の有力な家族の守り神として、国が平和であることや子孫が栄えることを願う神社です。その神様たちを迎え入れたことで、國魂神社は、地域のリーダーだけでなく、全ての人たちの平和や幸せを願う場所として、さらに深く大切にされるようになりました。
出雲の神様と春日の神様、二つの種類の神様をお祀りしているその歴史は、この神社が持つ心の奥深さと、たくさんの人たちの願いを受け入れてきた広さを表しています。長い歴史の中で、病気や災害、戦争など、いろいろな大変なことを乗り越えてきた人たちの願いが、この場所にずっと生き続けているのです。國魂神社は、地域の人たちにとって、ただお祈りをする場所というだけでなく、苦労を乗り越えて、未来へ希望をつなぐ心の支えであり続けてきたと言えるでしょう。