土地価格の算出方法とは?

「相続した土地を売却したい」「自宅を購入したい」といったときに、気になるのは土地の値段です。

果たして土地の価格はどのように決まるのか、売却するにしても購入するにしても、自分で確かめておきたいですよね。

そこで、今回は土地の価格が決まる要因や、土地の価格の調べ方について解説します。

土地の価格とは?

一口に「土地の価格」といっても、いろいろな意味があります。

まず、土地の価格の種類について確認しておきましょう。

土地の価格といわれるものには、主に以下の4種類があります。

  1. 実勢価格(市場価格)
  2. 公示地価/基準地価
  3. 相続税評価額(相続税路線価)
  4. 固定資産税評価額

実勢価格(市場価格)

実際の市場で取引される価格で、需要と供給のバランスによって決まります。

最も現実的な価格であり、国土交通省の旧不動産取引価格情報検索システム(不動産情報ライブラリ)などで調べることができます。

不動産会社が相互に情報を交換するシステムに「レインズ」がありますが、一般の方は基本的に閲覧できません。

ただし、不動産会社と「専任媒介契約」や「専属選任媒介契約」をすると閲覧できます。

また、REINS Market Informationでも実際の売買価格を知ることができます。

その他には、不動産会社のサイトなどでも「売却希望価格」を調べることが可能ですが、この場合「成約価格」ではないことに注意しながら相場感を養うこともよいでしょう。

公示地価/基準地価

公示地価は国土交通省が年に1回3月に公表する価格で、特定の標準地についての1平方メートル当たりの価格です。

鑑定評価書情報・地価公示のダウンロード

基準地価は都道府県が毎年7月1日時点における標準価格を公表しており、公示地価を補完する指標となっています。

地価・不動産鑑定:都道府県地価調査 – 国土交通省

相続税評価額(相続税路線価)

国税庁が定める相続税や贈与税を計算する際の基準となる価格です。

土地が面している公道ごとに価格が設定されています。

財産評価基準書

ただし、地域によっては路線価を定めず、「倍率」により価格を算定することもあります。

固定資産税評価額

固定資産税の課税標準となる価格で、各市町村が3年に1度評価替えを行います。

地価公示価格の70%が目安とされています。

個人情報になるため一般公開されていないので、毎年4月以降に所有者に送付される固定資産税納税通知書などにより確認することになります。

総務省|地方税制度|固定資産税の概要

 

これらの価格は、土地の特性、立地、市場の動向などによって異なります。

土地を購入または売却する際には、これらの価格を参考にしながら、不動産会社や専門家のアドバイスを得ることが重要です。

また、土地の価格は時間とともに変動するため、最新の情報を確認することも大切です。

土地の評価において注意すべきポイント

土地の価格を決める要因としては、以下のようなポイントにも注意が必要です。

  • 土地の特性の理解

土地の形状、地勢、地質などの特性を正確に把握し、それらが価値にどのように影響するかを考慮する必要があります。

  • 公的評価と市場価格の差異

公示地価や基準地価などの公的評価額と、実際の市場価格との間には差異があることを理解し、適切な価格判断を行うことが大切です。

  • 周辺環境の変化

土地の周辺環境や将来の開発計画が評価に大きく影響するため、地域の動向や計画を把握しておくことが重要です。

  • 利便性の評価

交通アクセスや周辺施設の充実度など、土地の利便性を評価することも、価値を左右する要因となります。

  • 法規制の確認

建築基準法や都市計画法など、土地利用に関わる法規制を確認し、評価に反映させることが必要です。

  • 境界確定の確認

土地の境界が正確に確定されているか、また越境していないかを確認し、評価額に影響がないようにします。

  • 土地の履歴の確認

土地の過去の取引履歴や利用履歴を確認し、価値に影響する可能性のある情報を把握しておくことが望ましいです。

  • 査定方法の選択

不動産会社による簡易査定や訪問査定など、査定方法を選択する際には、その方法の特徴や精度を理解しておくことが重要です。

 

土地も市場経済の一つなので、需要と供給のバランスで価格が決まります。

上記のような条件により、需要が高ければ価格はあがることになります。

これらのポイントを踏まえ、土地の評価を行う際には、専門家の意見を求めたり、十分な情報収集を行ったりすることが大切です。

不動産の査定を依頼するステップと注意点

売却するときは、土地の価格について旧不動産取引価格情報検索システムなどを利用して自分なりに相場感を把握したうえで、実際に不動産仲介を依頼することになる不動産会社に査定をしてもらいましょう。

不動産の査定を依頼する際には、以下のステップと注意点を参考にしてください。

査定依頼のステップ

査定を依頼する手順は次のようになります。

  1. 査定方法の選択
    1. 簡易査定

オンラインや電話で物件情報を提供し、大まかな市場価格を把握する方法です。

    1. 訪問査定

不動産会社が物件を実際に訪れて行う、より詳細な査定です。

  1. 不動産会社の選定

複数の不動産会社に査定を依頼することがたいせつです。

  1. 必要情報の提供

査定を依頼するときは、物件の住所、面積、築年数などの基本情報を正確に提供します。

  1. 査定結果の受け取り

簡易査定は数時間から1日、訪問査定は数日から1週間程度で結果が出ます。

注意点

査定を依頼するときには、以下の点に注意しましょう。

  • 複数社に依頼

一つの会社だけでなく、複数の不動産会社に査定を依頼し、価格を比較することが重要です。

また、複数の会社に依頼することで、価格の違いや対応の違いなどを比較検討することができます。

  • 正確な情報

物件に関する正確な情報を提供することで、より正確な査定価格が得られます。

  • 無料査定

通常、不動産査定は無料で行われます。

有料の場合は、その理由を確認しましょう。

  • 高すぎる査定額に注意

無理に高い価格を提示する会社には注意が必要です。

担当者が自社で物件販売を引き受けたいために相場からかけ離れた高い査定額を提示することがありますが、結果的に売却できずに損をするおそれがあるからです。

市場価格と大きく異なる場合は、その根拠を問いただしましょう。

  • 売却の意志

査定は売却の意志がある場合に依頼します。

売却を考えていない場合の査定依頼は避けましょう。

 

これらのステップと注意点を踏まえ、不動産の査定を依頼する際には、慎重に進めることが望ましいです。