仙台のあちこちから「ぽこっ」とした山容を眺められる太白山は仙台市民にとってなじみ深い山のひとつで、「太白区」の名前の由来となった場所でもあります。今回は気軽に豊かな自然と森林浴が楽しめる太白山の散策をご紹介いたします。

登山道の巨石

太白山はその姿の美しさから仙台富士、名取富士とも呼ばれています。「太白山」という名前は「太白(金星のこと)が落ちてこの山ができた」という言い伝えに由来しており、不思議な謂れを証明するかのように登山道には神秘的な四角い巨石がごろごろ。本当に星が落ちて出来たかのようです。2022年3月16日に発生した地震の影響により、現在生出森八幡神社から山頂までは立ち入り禁止となっていますのでトレッキングをされる方はご注意ください。

太白山自然観察の森

散策路は歩きやすく整備されていますので、山頂付近以外はスニーカーでの散策も可能です。山中にある「太白山自然観察の森」は、全国に10ヶ所ある「自然観察の森」の中で実は最も北にある施設。山の開花状況や野鳥観察などの情報が手に入りますので、ガイドマップを貰いがてらぜひ立ち寄りましょう。12月から3月までは小鳥の餌場「野鳥のレストラン」も室内から観察できます。愛らしい小鳥が次々やってきますので、しばし足を止めて観察してみてはいかがでしょうか。

カタクリのつぼみ/セリバオウレン

山中の日当たりの良い場所ではもうカタクリやセリバオウレン、アズマイチゲが愛らしい姿を覗かせていました。3月に入り仙台も何度か雪に見舞われましたが、それでも大地にはしっかり春が訪れています。太白山では天候が良ければ三月半ばころからウグイスの初鳴きも観測できるとのこと。東北地方では4月から鳴き始めることが多いウグイスですが、一足先に初鳴きを探しに来てみるのも楽しそうです。

 

太白山自然観察の森まではJR仙台駅前バスプール7番から宮城交通バス「山田自由が丘行」に乗車し、「公営アパート前」で下車すると便利です。毎週のようにガイドウォークや自然観察会が開かれていますので、日一日と近づいてくる春を探しに、週末は太白山までお出かけしてみてはいかがでしょうか。