相続した実家の活用方法

実家を相続したものの「すぐには利用する予定がないけど、思い出がある実家なので売りたくはない」と思っている方は多いでしょう。この記事では、相続した実家を売りたくないときの活用方法について解説します。

相続した実家の活用方法

相続した実家を売りたくないときの活用方法についてはいくつかの選択肢があり、 一般的には、以下のような方法が考えられます。

  • 実家を賃貸住宅やテナントとして貸し出す
  • 実家をリフォームして自分たちで住む
  • 建物を取り壊して更地にする

このように、相続した実家を売りたくないときの活用方法は様々です。

それぞれの方法にはメリットとデメリットがありますので、ご自身の状況や希望に合わせて選択しましょう。

 ご自身の希望や相続人との話し合いなどを通じて、最適な方法を見つけてください。

実家を賃貸住宅やテナントとして貸し出す

賃料収入を得ることができるので、管理費用や固定資産税などの負担を軽減できます。

また、空き家になることでの老朽化を防ぐこともできます。

ただし、建物の状態や立地条件などによって需要があるかどうかが重要です。

入居者の募集や契約、管理などに手間がかかることも考慮しなければなりません。

賃貸するときには賃貸期間が更新されない「定期借家」の制度もあるので検討してみましょう。

実家をリフォームして自分たちで住む

思い出の詰まった実家を形として残すことができます。

また、自分たちの好みに合わせて改装することで、快適な住環境を作ることもできます。

ただし、リフォームには多額の費用がかかることが多く、また実家の場所が自分たちの生活圏内にあるかどうかも問題です。

実家から職場や学校などが遠い場合は、通勤や通学に不便になってしまいます。

建物を取り壊して更地にする

空き家管理の負担から解放されることができます。

しかし、一般的に建物がないため固定資産税が高くなるデメリットがあります。

更地にすることで土地の価値が上がる可能性もあります。

ただし、建物を取り壊すには撤去費用がかかるのデメリットになるでしょう。

また、更地にした土地を有効活用する方法も考えなければなりません。

リスクがあるので避けたい空き家での放置

利用方法が定まらないまま、空き家のまま放置するといろいろなデメリットがあります。

空き家を放置すると様々なリスクが発生するため、おすすめできません。

  • 固定資産税が発生し続ける

特に、倒壊の危険があるなどの理由で特定空き家に指定されると、固定資産税が6倍になる可能性があります。

  • 劣化が進み不動産価値が下がる

人が住まなくなり、適切な管理や修繕が行われない家は急激に劣化が進み、市場価値が低下します。

  • 近隣物件への資産価値の影響

老朽化が進んだ空き家は周辺の景観を害し、その地域に住みたいと思う人が減ることで、近隣物件の資産価値にも影響を与えます。

  • 倒壊・不審火・犯罪の拠点などになる

空き家は人の生命を脅かすほどの大きなトラブルの発生要因となる可能性があります。

例えば、倒壊しそうなほどの老朽化、放火などの不審火の心配、不審者が出入りするなどです。

  • 自治体から改善命令や過料などの処分を受ける可能性

特定空き家に指定された場合、自治体から改善命令を受けることになります。

改善命令に従わなかった場合には50万円以下の過料が科されることになります。

活用のめどがたたないときは売却にもメリットがある

この記事では、相続した実家を売りたくないときの方法について解説しています。

しかしながら、相続した実家を売却することにメリットもあるので紹介しておきます。

  • 管理費や固定資産税などのコストがかからなくなる

空き家を放置すると、メンテナンスや庭の手入れなどが必要になりますが、売却すればその負担がなくなります。

  • 不動産価値が下がらない

空き家は劣化が進みやすく、市場価値が低下します。

早く売却すれば、できるだけ良い状態で売ることができます。

  • 現金化できる

不動産が相続財産であれば相続人が複数いる場合に遺産分割が難しいことがありますが、売却して現金化すれば分割が簡単になります。

  • 節税できる

空き家を売却すると譲渡所得税がかかりますが、相続した空き家には特別控除の制度があります。

一定の条件を満たせば、3,000万円までの譲渡所得が非課税になります。

  • 相続トラブルを避けられる

空き家を相続人間で共有していると、将来的に相続人が増えたり、意見が対立したりする可能性があります。

売却すれば、そのようなトラブルを防ぐことができます。

以上のように、相続した空き家を売却することには多くのメリットがあります。

もちろん、親の思い出の詰まった実家を手放すのは寂しいことですが、現実的な問題も考えて判断することが大切です。