不動産の査定と不動産会社の査定

 不動産を上手に売却するカギは良い不動産会社を選ぶことです。今回は良い不動産会社を選ぶコツを解説します。
 不動産を売却する時は不動産を査定してもらいますが、実は査定の時が不動産会社を選ぶよいチャンスなのです。

不動産を査定してもらうときが不動産会社を選ぶよいチャンスの理由

 不動産を売却するときには、所有者自身が買主を見つけることは難しく不動産会社に買主をみつけてもらうことが大半です。不動産を売却する手順はまず売却予定の不動産はどのくらいの価値があるのか、いくらが相場なのかを知ることが必要です。所有者自身が物件の相場を知ったうえで広く買主候補を求めることになります。

 不動産会社に依頼することで、不動産会社に登録されている買主候補のリストから、あるいは広告をすることで売主個人では難しい広範囲から買主を募集することができます。また、不動産会社を利用することで、不動産会社がもっている不動産売却についての手続きに関する法律や税金についてのノウハウを提供してもらえるメリットがあります。

不動産の査定とは

 不動産の査定とは、売却物件がいくらで売れるかを調査して売却価格を提示してもらうことです。
 不動産を査定してもらう詳しいコツについてはこちらを参照してください。
 売却査定を依頼するコツと準備すること

 不動産を査定する時には複数の不動産会社に聞いてみることがおすすめです。最近は、「一括査定サイト」で一度に多くの不動産会社に査定を依頼することが可能です。査定のときにとびぬけて高い査定額を提示してくる会社もありますが、査定価格だけを比較するのではなく、その査定価格の根拠をきちんと確認しましょう。不動産会社が契約欲しさに高い査定をしたものの、結局売却先が見つからず契約まで長くかかってしまい最終的に元の相場よりも値引きをしなくてはならないことになるおそれもあります。

なぜ不動産会社を査定するよいチャンスなのか

 不動産会社に査定を依頼すると物件調査のために担当者が臨場しますから直接担当者と顔を合わせることができ、その担当者の人となりを観察できます。

 担当者を見極めるポイントは4つあります。
 1. 質問や疑問への対応の仕方
 2. 販売活動の方針を確認する
 3. 実績を確認する
 4. インターネット上の情報を確認する

 具体的に解説します。

 1.質問や疑問への対応の仕方
 こちらの質問に対して誠実に応えてくれるでしょうか?売却したときに発生する税金や手続きに関すること、売却に関連する法律的な知識は確かで豊富でしょうか?質問をはぐらかしたり、ごまかしたりするような担当者では後々トラブルになるおそれがあります。

 2.販売活動の方針を確認する
 担当者がどのような販売活動を予定しているかを確認します。ポスティングや現地での内覧活動、広告の頻度などを確認しましょう。また、「レインズ」に登録するかも確認しましょう。中には売主と買主の双方から仲介手数料を得るために、物件情報を自分の会社だけで「囲い込む」こともありますから、このような場合は物件情報が他社に行かなくなってしまい売却の機会を逃してしまうおそれがあります。

 3.実績を確認する
 担当者が過去にどのような実績をあげてきたのかを聞いてみましょう。その担当者の得意な分野がわかります。若い営業や新入社員であれば当然実績はありませんが、それだけでダメだと判断しないでください。会社であれば若い営業や新入社員をフォローし、バックアップをしているはずです。若い営業には情熱や誠意を期待し、その不動産会社の支援の仕方を評価しましょう。

 4.インターネット上の情報を確認する
 インターネットの口コミサイトで検索をしてみましょう。中にはひどく極端なことが書かれていることもありますが、実際の体験に基づくレビューは大切な評価基準になります。

不動産会社を選ぶときの6つのポイント

 売却を依頼するために不動産会社を選ぶポイント5つを紹介します。
 1. 大手と中小どちらがよいのか?
 2. 不動産免許の更新回数
 3. 担当者の対応は?
 4. 不動産会社の主な営業部門は?
 5. 複数の不動産会社から選ぶこと

 1.大手と中小どちらがよいのか?
 大手と中小どちらも良い点がありますから、まずは双方を候補にしましょう。
 大手不動産会社であれば全国にネットワークがあるため全国から購入希望者を募ることができます。
 中小の不動産会社は地域に密着して地域の特色を理解しており、きめ細やかな対応を期待できます。
 インターネットが普及した現在では誰でも情報を得ることができますから、物件情報の拡散力は大手と中小の間に差はなくなりました。不動産会社の知名度や情報量、会社の規模よりも、物件の売り方が成果をわけます。

 2.不動産免許の更新回数
 更新回数が多いほど業務暦が長いために実績があるといえます。不動産会社は宅地建物取引業の免許更新を5年に1度行う必要があります。そのため免許更新の数で業務暦がわかります。長い間不動産業をしているからといって、必ずしも優秀であるとは限りませんが、過去の実績を考える一つの目安といえます。

 3.担当者の対応は?
 信頼できる担当者と付き合いたいものです。不動産会社の担当者とは売却依頼から始まり、買主が決まるまでの営業活動報告や契約、売買代金の決済、決済後の税金への対応まで、長い付き合いになります。そのため誠実で事細かに対応をしてくれる、こちらの話を親身になって相談にのってくれる担当者にお願いしましょう。ごまかしたり、はぐらかしたりする担当者はNGです。

 4.不動産会社の主な営業部門は?
 専門の不動産会社を選びましょう。不動産会社にも得意な分野があります。一口に不動産業といっても営業分野は幅広く、それぞれの会社で主要な業務は異なります。例えば同じ中古住宅でも戸建とマンションの購入希望者は異なり、売り方も異なります。不動産会社のサイトを閲覧したり、担当者に直接尋ねたりして得意としている分野かを確認しましょう。

 5.複数の不動産会社から選ぶこと
 複数の不動産会社を比較検討して依頼先を決めましょう。不動産の査定は無料で依頼できます。せっかくいろいろな不動産会社の担当者と面識を得るチャンスですから有効に活用をして、信頼できる相性がよい担当者を決めることが大切です。

まとめ

 不動産を売却することは一生に幾度もあることではありません。大事な資産を売却するにあたって後悔をしたくはありません。
 よい不動産会社を選ぶことで喜びを感じながら大事な資産を手放したいものです。