売買IT重説4月から本格運用

it重説とは

国土交通省は、これまで行ってきたIT重説(ITを活用した重要事項説明)の社会実験を踏まえ、2019年から実用化されている賃貸取引に続き、売買取引についてもIT重説を本格運用する方針を示しました。IT重説(ITを活用した重要事項説明)とは、「宅地建物取引業法第35条に基づき宅地建物取引士が行う重要事項説明を、テレビ会議等のITを活用して行うこと」を指します。簡単に言うと、重要事項説明を必ずしも対面ではなく、テレビ電話や非対面でも可能としますよ!ということですね。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、業界内外で非対面ニーズが高まっていることや、昨年の菅内閣発足以降、急ピッチで行われているデジタル庁設置の動きを鑑みても、納得のニュースといえます。IT重説は今後ますます注目が集まると思われます。

 同省は2019年10月から「個人を含む不動産売買取引におけるIT重説社会実験」と「賃貸取引における書面のデジタル交付社会実験」を実施しておりました。

 売買取引社会実験は、2020年12月の時点では登録業者数が854社、実施件数(アンケート回収件数)が2,289件。当初は登録業者数が59社で、期間は同年10月までとしていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けてニーズや注目度が上昇。登録事業者や実施件数も急増し、期間を延長した経緯があります。

国土交通省が挙げているIT重説のメリットは大きく4つ

・遠隔地の顧客の移動や費用等の負担軽減
・重説実施の日程調整の幅の拡大
・顧客がリラックスした環境下での重説実施
・来店困難な場合でも本人への説明が可能

国交省の報告によると、実証実験におけるトラブルは、宅建士、相手方ともに約9割が「なかった」と答え、トラブルが発生した場合でも、結果的に対処、解決がなされているとのことでした。

 ただし、IT重説に要した時間が「30分未満」という回答が19.7%あったことや、「事前に内覧はしなかった」ケースが71.0%あったことなどに懸念を示す声も複数上がったようです。IT重説自体についての問題ではないものの、通常の重説や取引時と比べ、説明や検討を省略あるいは簡素化している様子がうかがえる、という判断のようです。

 こうした結果と検証議論も踏まえ、同省は実験のサンプル数とトラブル発生状況については問題ないと判断し、今後も取引態様を注視しつつ、売買におけるIT重説も本格運用へと移行していく流れのようです。

 新型コロナウイルス等の影響により、不動産業界は今後もさらに変化していくと思われます。