震災前の大きな歓声戻る アクアマリンふくしま

東日本大震災で甚大な被害を受けながら約4カ月後に復旧した小名浜の環境水族館アクアマリンふくしまは、地域の復興の象徴として被災者に勇気を与えた。青いガラスの曲線と丸いシンボルマークで巨大な魚をイメージさせる外観が特徴で、館内では震災前を変わらす多くの家族連れらの大きな歓声が響いている。

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アクアマリンふくしま

アクアマリンふくしまは2000年7月に開館した福島県立水族館「ふくしま海洋科学館」の愛称。県内有数の誘客数を誇り、太平洋に面したアクアマリンパークの一角にある。750種約20万匹を展示していたが、東日本大震災の津波被害でほとんどが死滅。生き残った魚や動物は、全国の水族館や動物園の支援で避難させることができた。

東京電力福島第1原発事故が追い打ちを掛けたが、早期再開を目指す職員や地元業者らが復旧作業を進め、開館11年目の記念日に合わせて再開した。

海や川、干潟の環境を再現した水槽を巡ると、まるで自然の中にいるかのような錯覚を覚える。絶滅したニホンカワウソの近縁種ユーラシアカワウソは、水草の間をゆうゆうと泳ぎ回り岩の隙間で子育て。北の冷たく暗い深海に生息するエビやタコなどの希少種が並ぶ水槽では、ゆったりと動く姿を間近に見ることができる。

欧州から繁殖目的で輸入したユーラシアカワウソの展示は2010年に始まり、これまで数回の繁殖に成功。ペアの子どもたちは国内外の施設で飼育されている。現在、国内では8施設に18頭のヨーロッパ系ユーラシアカワウソが飼育されているが、このうち12頭が同館で繁殖した個体という。

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カワウソ

長崎県対馬市で2017年2月、国内で38年ぶりに生息が確認されたカワウソは、絶滅したニホンカワウソではなく同館で飼育しているのと同種のユーラシアカワウソだった。同館は「ユーラシアカワウソの展示を通じてニホンカワウソが辿った絶滅への道を広く伝えていきたい」としている。

同館2階に、北の海の珍しい生物を集めた「親潮アイスボックス」は北海道の漁師の協力で成り立っている。深海に住む生き物がほとんどで、水圧や温度の変化で水揚げ時に死んでしまうことが多かったが、羅臼の漁協が復興支援で海洋深層水を提供。雑菌が少ない低温の水のおかげで生きたまま運搬できるようになった。

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ナメダンゴ

「レア度、星5つ。世界初展示」。小さな48個の水槽が並ぶコーナーには、色鮮やかでユニークな形をした生物がズラリ。採集を通じて新種が見つかることもある。来館者から「おいしそう」の声がよく聞こえるエリアでもある。

入館料は一般1800円、小―高校生900円。20人以上の団体割引あり。住所はいわき市小名浜辰巳町50。電話0246(73)2525.

えとき・水草が生い茂る水槽内を泳ぐユーラシアカワウソ

えとき・親潮アイスボックスで人気のナメダンゴ

えとき・大きな魚をイメージさせる外観のアクアマリンふくしま

イエステーションいわきの関連サイト

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